“見逃せばボール”をスタンドまで…
セ・リーグ王者のヤクルトがホームで阪神に2連勝。
アドバンテージを含めたファイナルステージの対戦成績を3勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。
この日は降りしきる雨と強い風の中で行われた難しいゲーム。先発したサイスニードも初回に1点を失うものの、こんな時に頼れるのが主砲のひと振り。3回二死一塁から村上宗隆がレフトスタンドに放り込む逆転2ラン。一気に試合をひっくり返す。
さらに4回には長岡秀樹がソロを放ち、5回にはホセ・オスナが2戦連発となる2ラン。2番手・西純矢から一発攻勢で加点した。
その後は7回に1点を返され、9回はスコット・マクガフが1点を失い、なおも一死二塁とピンチが続いたものの、後続を斬ってなんとかリードは死守。5-3で逃げ切り、ヤクルトが2連勝でファイナルステージ突破に王手をかけた。
13日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した阿波野秀幸氏がポイントに挙げたのが、主砲・村上の逆転2ラン。雨風を切り裂いて逆方向に叩き込んだ一撃に「衝撃的でしたよね……」と感嘆の声を漏らす。
二死一塁の場面で三冠王と対峙した阪神のバッテリー。阿波野氏は「梅野はしっかりと勝負に行っていて、3球で1ボール・2ストライクと追い込む。そこからアウトコース一辺倒の投球になるんですが、これは気持ちはすごく分かります。ここで不用意に内角に行って甘くなったりしたら後悔するので」と、バッテリーの心情を推察。
その中で、「梅野はとにかく“丁寧に行こう”と。“場合によっては四球でも”という覚悟で攻めていた」と間違いはなかったとしながら、「ところが最後、村上が打ったボールは外の低め。見逃したら四球だったんじゃないですかね。あそこを安打ではなく、本塁打にしてしまうと。この辺が今年の村上のスゴさなんですよね」と語り、ミスなく挑んだ虎のバッテリーを打ち砕いた村上の打撃を称賛した。
このシリーズは徹底したマークに遭い、2戦合計で放った安打は1本。打率は.200となっているが、その1本がここぞの場面で飛び出した逆転2ラン。これぞ“4番の仕事”という働きで、チームを2連勝へと導いた。
頼れる主砲の一発でさらに勢いづいたヤクルトがノンストップで日本シリーズ進出を決めるのか。第3戦は阪神が“投手三冠”の青柳晃洋を立ててくるだけに、投打の“三冠王対決”にも注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』