大声援に「シビれました」
パ・リーグのクライマックスシリーズが15日で閉幕。ファイナルステージは王者・オリックスが4勝1敗(アドバンテージを含む)で勝ち上がり、2年連続の日本シリーズ進出を決めた。
MVPに輝いたのは主砲の吉田正尚。4試合すべてに出場して打率.462、2本塁打で3打点の活躍。15日の第4戦では特大の先制2ランを右中間の5階席まで叩き込み、見るものの度肝を抜いた。
「昨年は先輩(=杉本裕太郎)が獲っていて、今年もシリーズ男にとられるなと思っていたのですが、最後捲れてよかったです」と笑顔で振り返った吉田。
今季は故障やコロナ陽性といったアクシデントもありながら、シーズン終盤にかけて調子がぐんぐん上昇。9月は月間打率.413に7本塁打の大暴れを見せ、チームの逆転連覇の原動力となった。
「状態はそこまで分からないですが、しっかりと良い状態をキープしながら日々を過ごしている」という主砲。15日に放った特大の一発については、「1打席目に空振り三振をして、しっかりと抑えられたので、なんとか早いカウントで勝負できればなと思って」と振り返りつつ、「チェンジアップだと思いますが、浮いたところをあのひと振りで仕留められて良かった」と振り返っている。
この日の京セラドーム大阪には今季最多となる3万3717人もの観客が集まっていたが、この本塁打の直後はあまりの衝撃にスタンドの騒めきがしばらく止まず、吉田自身も「シビれました」と大声援を噛み締めた。
「自分のベストを尽くす」
2年連続の日本シリーズ進出となったが、「相手がヤクルトというところで、昨年負けていますし、リベンジする機会をいただいた」とすでに胸の内は燃えている。
「パ・リーグ連覇で日本一というところが目標でしたので、それを目指して頑張りたい」と頂点だけを見据え、注目される“主砲対決”については「意識はしないですね。(村上は)飛びぬけていますから。凄まじいです」と笑った。
ヤクルトというチームの印象についても、「昨年とそこまで変わらない」とのことだが、「4番を打たせてもらっているので、そこは責任を持って、1スイングずつ無駄のないように、自分のベストを尽くすことを考えている」と語る。
いよいよ22日(土)から始まる戦いに向けては、「最初に敵地で2勝できるかがキーになってくる」とビジターでの2連戦を特に意識。
また、「神宮は大学野球でやっていたり、久々にプレーするので楽しみですね」と、1年前とは違う“神宮での頂上決戦”にも楽しみを抱いているという。
レギュラーシーズン、CSに続いて日本シリーズでも「力強いスイング」を。オリックスを引っ張る主砲から目が離せない。
取材・文=どら増田