救援投手陣の思い「僕たちが0で繋げれば勝ちに繋がる」
22日(土)に開幕する『SMBC日本シリーズ2022』。パ・リーグの代表は2年連続でオリックスに決まった。
リーグ優勝が決まった2日の楽天戦(楽天生命)でクローザーを任され、胴上げ投手になった阿部翔太。15日のソフトバンクとの『2022 パーソル クライマックスシリーズ パ』ファイナルステージ4戦目(京セラD大阪)でも同点の場面で9回に登板し、サヨナラ勝利を呼び込んだ。
CS突破が決まり「本当に嬉しいです」と笑みを浮かべた阿部は、「同点だったのをしっかり0で抑えられたので、(サヨナラ勝利に)繋がったかなと思う」と緊迫の場面でも役割を果たし胸を張った。
この試合では肝を冷やした場面もあった。9回一死から牧原大成に右前へ運ばれ、一死一塁で柳田悠岐を迎えると、カウント1-1から投じたスプリットが真ん中へ。「打たれた瞬間ホームランだと思った」という大飛球はフェンス際で失速し、辛うじて中飛に打ち取った。
京セラD大阪と川一本を挟んだ隣町・大正区出身の阿部は「スタンドが満員だったので、ファンの声援で戻って来たのかな」と、本拠地に詰めかけたファンの力に感謝していた。
阿部は20年ドラフト6位で入団。ルーキーイヤーの昨季は4試合の登板にとどまったが、2年目の今季44試合に登板し22ホールド、防御率0.61という圧巻のパフォーマンスを披露した。
オリックスは阿部の他にも、宇田川優希、山﨑颯一郎、ジェイコブ・ワゲスパックといった“新顔”がシーズン後半に続々と台頭。シーズンが進むに連れてブルペンの層が厚くなり、クローザーまで繋ぐ継投のバリエーションも増えた。
主に8~9回を任されるようになった阿部は「僕たちが0で繋げれば勝ちに繋がると思う。そういう気持ちで一人ひとり良いピッチャーがいますし、繋いでいけば勝てると思って投げています」とリリーフ投手陣の想いを代弁する。
昨年立てなかった日本シリーズの舞台が目前に迫り、「本当にいい勢いで勝ってきてると思う。相手のヤクルトさんは強いので、昨年日本一になれてないですし、そこだけが出来てないことなので、絶対みんなで勝ちたいです。シーズンも中嶋監督は『挑戦者という気持ちで』と、よく言ってますけど、もちろん昨年日本シリーズに負けているわけですから、しっかり挑戦者として勝ちたい」と、26年ぶりの日本一を誓った。
取材・文=どら増田