三浦監督「早く割って入れるように頑張って欲しい」
『2022年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が20日に行われ、DeNAは大阪桐蔭高・松尾汐恩の単独1位指名に成功。2位以下も投打左右にバランスの取れた指名を行った。
1位指名した松尾について、担当の安部スカウトは「身体能力が高い強肩強打の捕手。打撃ではシャープなスイングで鋭い打球を飛ばす。守備面では1.8秒台の二塁送球とインサイドワークに定評がある。経験を積んでいけば将来有望な選手」と評価する。
走攻守3拍子が揃った高校No.1捕手の呼び声高い選手の交渉権を獲得し、三浦監督は「無事獲得できて良かったです」と安堵の表情を浮かべ、「スカウトの方の評価が一番高い選手。将来的なことも考えて、とにかく一番欲しい選手ということで松尾選手を選択しました」と指名理由を説明。スカウト同様に「走攻守揃った、高校生トップクラスの選手だと思いますし、キャッチャーとしてのインサイドワーク、スピードのある捕手だなと思います」と、やはり高評価を下した。
また「コーチ、スタッフ全員がしっかりと受け入れて、一日でも早く一軍で活躍できる選手になってもらいたいと思います。もちろん選手の成長に合わせてだと思いますし、そこは焦らずですけれども、一日でも早くという両方の気持ちも持ってます」と即戦力の期待も秘めている様子で、「今年で言えば3選手(嶺井、戸柱、伊藤光)の壁は非常に高いと思いますし、そこに早く割って入れるように頑張って欲しいと思います。一日でも早く会って話がしたいですし、同じユニフォームを着て戦いたいと思います」と共闘を心待ちにしていた。
三原代表「経験にも記憶にもないドラフト」
松尾に続き、2位以下は即戦力としても期待の右腕・吉野光樹(トヨタ自動車)、俊足堅守の内野手・林琢真(駒澤大)、高卒左腕・森下瑠大(京都国際高)、剛球右腕・橋本達弥(慶応義塾大)と投打左右のバランスが取れた指名を敢行。
このドラフトで勇退が決まっている三原一晃球団代表は「こんなに数多くの(事前)公表があるドラフトというのは経験にも記憶にもないドラフトになったので、非常に難しかったとの印象です」としながらも、「結果としましては当初から評価の高かった松尾くん、それから即戦力のピッチャーというところも取れましたし、思い通りにスカウトの作ってくれたリスト通りに進んだドラフトだったと思います」と満足げな表情を見せた。
松尾については「侍U-18(高校日本代表)の中での活躍ももちろん目を見張るものはありましたし、バッティングの柔らかさも含めて、また肩の強さも非常に高く評価していました」とし、「強肩強打のスタメンで多くの試合で(マスクを)被ってもらえるキャッチャーに成長してほしいという願いを込めてのドラフト1位となりました」と指名理由も明かした。
また、大学&社会人ピッチャーの2人について、2位・吉野は先発候補、5位・橋本は中継ぎ候補として指名したことを明かし、主にセカンドを守っていた林に関しては「ショートも守れるというところがスカウトの評価でもありますので、入ったばかりのタイミングでは、あまりポジションにこだわることなく、現場で評価を聞いていきたいと思います」と適正を判断していくとした。
悲願のリーグ優勝へ向け、支配下5名、育成5名の“新星”を指名したDeNA。3年目の三浦ベイスターズの戦力強化は、着々と進んでいる。
取材・文=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)
ドラフト会議2022・DeNA指名選手一覧
<支配下>
1位 松尾 汐恩(捕手/大阪桐蔭高)
2位 吉野 光樹(投手/トヨタ自動車)
3位 林 琢真(内野手/駒澤大)
4位 森下 瑠大(投手/京都国際高)
5位 橋本 達弥(投手/慶応義塾大)
<育成枠>
1位 上甲 凌大(捕手/愛媛マンダリンパイレーツ)
2位 鈴木 蓮(内野手/滋賀学園高)
3位 今野 瑠斗(投手/東京都市大学塩尻高)
4位 渡辺 明貴(投手/茨城アストロプラネッツ)
5位 草野 陽斗(投手/東日本国際大学附属昌平高)