昨季は37歳で首位打者のタイトルを獲得
アストロズは23日(日本時間24日)、ヤンキースとのア・リーグ優勝決定シリーズを4連勝で突破し、2年連続5度目のワールドシリーズ進出を決めた。シリーズMVPに選ばれたのは打率.352、2本塁打、4打点を記録した新人のジェレミー・ペーニャ内野手(25)。新星にMVPは譲ったが、打率.333、1本塁打、2打点をマークしたユリエスキ・グリエル内野手(38)の活躍も光った。
今年のポストシーズン(PS)は、パドレスのスアレス(元ソフトバンク、阪神)、マルティネス(元日本ハム、ソフトバンク)、ジョンソン(元阪神)や、ドジャースのマーティン(元日本ハム)など、かつてNPBでプレーしていた選手たちが活躍。プロ野球ファンの注目を集めた。
アストロズのリーグVに貢献したグリエルも元NPB戦士のひとり。キューバの至宝として2014年途中にDeNAに入団し、62試合に出場した同年は打率.305、11本塁打、30打点を記録。2015年の開幕直後に退団したが、プロ野球ファンに鮮烈な印象を残した。
2016年からアストロズでプレーし、2017年からレギュラーに定着。同年は正一塁手として打率.299、18本塁打、75打点をマークし、球団初の世界一に大きく貢献した。翌年以降も主力としてチームを支え、2021年は打率.319で首位打者を獲得。37歳でのタイトル獲得は、ア・リーグで史上4番目の年長記録となった。
スプリンガーやコレアらが退団も安定の強さ
今季のレギュラーシーズンは、146試合に出場し打率.242、8本塁打、53打点と苦戦。それでも、ポストシーズンではマリナーズとの地区シリーズ初戦でソロ本塁打含む3安打をマークするなど、計7試合で打率.367、2本塁打、3打点と奮起。チームのポストシーズン7連勝に大きく貢献した。
グリエルがレギュラーに定着した2017年から、アストロズは6年連続でポストシーズンに進出。しかも、すべてリーグ優勝決定シリーズまで駒を進めている。この間、サイン盗み騒動やスプリンガーやコレアら看板選手のFA流出もあったが、若手の成長もあり安定した強さを保持。グリエルはアルテューベやブレグマンとともに常勝軍団の野手陣を支え続け、ベイカー監督からの信頼も厚い。
28日(同29日)に開幕するワールドシリーズの相手は、ナ・リーグ東地区3位(第6シード)からの下剋上を狙うフィリーズ。2017年以来、球団2度目の世界一へ、経験豊富なベテラン・グリエルにかかる期待は大きい。