8安打1得点と好機で1本が出ず
オリックスは投打とも振るわず本拠地で完敗。同シリーズの対戦成績は2敗1分けとなり、苦しい状況に追い込まれた。
またしたもヤクルト先発・高橋奎二を打ち崩せなかった。昨年は第2戦で顔を合わせ、左腕にプロ初完封勝利を献上。今年はやり返したいところだったが、4回は一死二・三塁で6番・中川圭太、続く杉本裕太郎が連続三振に倒れるなど、またも6回3安打無失点の好投を許してしまった。
打線は無得点のまま迎えた9回、代打・西野真弘の左前適時打で1点を返すも、完封負けを回避するのがやっと。8安打1得点と拙攻が目立った。
25日に放送されたCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した笘篠賢治氏は「ここ3戦を見ているとチャンスを作るんですけどね…。1本が出ていれば流れがガラッと行っているゲームもあるんですけど、そこを抑え込まれてしまっている。オリックスのバッターが(ヤクルトの)中村のリードに翻弄されているような感じがしますよね」と、ヤクルト・中村悠平の配球に対してオリックスのバッターが的を絞れずに迷いが生じていることを指摘。
続けて「特に1番の福田はまだヒットがないので、打順を変えるか1本出るのを待つか考えなければいけないところですよね」と、この試合で3三振を喫するなど、このシリーズでまだヒットが出ていないリードオフマンの“見極め”の必要性を説いた。
同じく解説を務めた井端弘和氏は「やっぱり、1番が出るとクリーンアップは強力なので、1、2番がつながってきたらランナーがたまって吉田というケースは作れたと思います。福田はそんなに三振するタイプではないのですが、3三振ということは本調子ではないないのかなと感じますし、(7回の)見逃し三振もそんなに難しいボールではないのですが手が出ないということで気持ち的にも迷いが出ているのかもれません」と懸念を語り、「明日の試合は打順も変えてくるのではないかと思いますので、早く自分たちが点を取れる形を見つけてほしいですね」と期待を込めた。
MCを務めた大久保博元氏は「打線は“なまもの”なので打撃陣の采配というか勘になってくる。今までレギュラーで使ってきたんだからその選手が打てなければ仕方がないとか、よく抑えが打たれたときに『あいつが打たれたら仕方がない』と言いますが、短期決戦はそんなことは言ってられないんですよ。特に打線は。アンラッキーボーイはずっとアンラッキーで終わるケースも多いわけですよ。でも、山田哲人のように突然変わることもあるから、どこで引っ込めるのかタイミングが難しい。だから、引っ込めきれないので打順を変えてみたりするんですよ」と、自身の経験も踏まえて起用法の難しさを説明。
「でも、最後は監督の決断なので。高津監督が山田の1番に持ってきたのは『自分が決めた』と言っていたように最後に決めるのは監督なので、(中嶋監督も)そのへんの葛藤はあるんじゃないですかね」と、短期決戦で正解のない決断を迫られる指揮官の心境をおもんぱかった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2022』