「仰木さんに良い報告ができた」
『SMBC日本シリーズ2022』を制し、26年ぶりの日本一に輝いたオリックス。
今季限りで退任を表明している宮内義彦オーナーにとってはこれ以上ない幕切れ。有終の美を飾った。
チームが日本一を決めた後には、歓喜の輪の中心で胴上げ。神宮の宙を舞い、「ありがとうございます」と笑顔を見せた。
昨季リーグ優勝を果たした際、「無責任にすぐ辞めるわけにはいかない」と1年オーナー職を延長。
「胴上げをやってもらいたいなぁと思っていたのができた。冥土の土産と言ったら叱られるか(笑)」
悲願達成に笑みを浮かべながら、「ちょっと早いけれども、いずれにしても仰木さんに良い報告ができたということで。僕としては無上の喜びですね」と語り、オリックスの“象徴”である仰木彬元監督への想いも口にした。
「来年からはもっと強力なファンに」
シーズン中は幾度となく球場に足を運び、強くなっていくチームの姿を見てきた。
「このチームが本当に日本一に……。しかも若いチームだしね。これからまた前進してくれるチームで、そういう意味ではパ・リーグは混戦で揉まれた。だから揉んでいただいた他のチームにも感謝しなければいけない」と、ライバルとともに火
花を散らし合って成長できたと強調。
「本当にしんどい思いで、たった3日しか首位にいなかった。混戦の中で選手が強くなったんだと思う」と続け、野球好きで知られるオーナーならではの分析で今季の激闘を回顧した。
2年連続で対戦したヤクルトについては、「全盛時代だよなぁ。戦力は強いし、百戦錬磨だしね。すごい打者も生まれた」。
そのうえで、今回の勝利に関しては「チャレンジャーですよね。チャレンジをして成功した。これで“俺がチャンピオン”なんていう思いは誰も持っていないと思う。ずっとチャレンジャーであってほしいと思います」とし、来季はディフェンディングチャンピオンという立場にはなるが、チームには挑戦者の気持ちを忘れずに戦ってほしいと願った。
オーナー最終年を日本一で締めくくったが、「まだ死ぬわけじゃないから(笑)」。
「個人的にはめちゃくちゃ良い締めくくりをしてくれた。最上の締めくくりだと思うけど、来年からはもっと強力なファンになります」と満面の笑みを浮かべ、今は日本一の余韻に浸る。