ブレイクした20年ドラ1右腕
2年目のシーズン、中継ぎ投手として57試合に登板、初勝利を含む5勝をマークした入江大生投手(24)が契約更改に臨み、年俸2900万円アップの4500万円でサインした。
大幅アップに入江は「ありがたい気持ちが一番。非常に球団に評価していただいて、本当に来年も頑張らくてはいけないなという思いが強くなりました」と気を引き締めた表情で第一声。
球団からの評価は「勝ちパターンのピッチャーの登板が多くなってきた中で、僕がそこを補える形だったり、うまい具合に勝ちパターンのリリーフの方々を休ませられることができたってところ」がポイントだったと明かした。
リリーフ投手として完走した2022年は「シーズン序盤は打ち込まれるシーンが多くて。それも四球でランナーを溜めてヒット打たれたりとか、投手不利のカウントで真っ直ぐタイミングで1、2の3で打たれることも多かった」と反省しながらも、「シーズン中盤から後半にかけては、ある程度腹くくってストレートをストライクゾーンに投げてファールを取ることができたので、投手有利のカウントができて抑えられる要因になり、中盤から後半にかけては良いシーズンが送れることができた」と自己評価した。
オーストラリアで武者修行へ
来季に向けてウィンターリーグ参加も決断。さらなる飛躍を見据え、年末までオーストラリアへ武者修行を敢行する。
入江は「暖かいのも理由のひとつで、怪我もしにくいですし。また開幕までギリギリ実戦感覚を持っていたいなという思いがあったので、ブルペンで30球投げるのと試合で30球投げるのではだいぶ違う」と参加理由を説明し、「自分の足りないところを徹底的に潰していく」と課題克服を誓った。
具体的には「投手不利のカウントでストレートだけではなく、確実にカウントが取れる、決めきる変化球。球種を増やすことは考えていなくて、いまある球種のレベルを上げたい。フォークにしても、カウントで投げるフォーク、決めきるフォーク、速いフォーク、遅いフォークと何種類もあると思うので、精度を上げていきたい。もちろん真っ直ぐもそうですけど全てのモノをレベルアップしてやっていきたい」と目をギラつかせた。
野球以外でも「異文化を取り入れて、人間的にも成長していきたい」と内面でもブラッシュアップを狙う。
「来季は最初からそのような(中~後半の)ピッチングが出来るように。またチームの勝ちパターンとなれるように頑張っていきたい」と意気込んだ剛腕。今年の覚醒におごることなく、さらなる高みを目指していく。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)