日本ハム監督として10年ともに過ごした愛弟子
今季限りでの現役引退を発表した日本ハムの杉谷拳士内野手(31)が5日、侍ジャパンとの強化試合(東京ドーム)に途中出場。代打で右飛に倒れ、ファンの喝采を浴びながら現役生活に別れを告げた。
シーズン終了後の10月28日に引退を発表。侍ジャパンとの強化試合が引退試合の場となった。試合前には、西武の本拠地で恒例となっていた“いじり”アナウンスが披露され、ベルーナドームの場内アナウンサー・鈴木あずささんが「球界大注目の杉谷拳士選手が、最高に前向きにバッティング練習を行っております。みなさま、今日が最後のチャンスです。よろしければご注目ください」とサプライズアナウンスで花を添えた。
出番は7回、無死一塁の場面。代打として名前がコールされると大きな拍手が沸き起こった。侍ジャパンのベンチには、昨季まで日本ハムを率いていた栗山英樹監督。引退会見にもサプライズで登場した恩師の前で、現役最後の打席は右飛に終わった。
ベンチに戻ると、チームメイトの労いを受け号泣。新庄監督とはガッチリと抱き合い、試合終了後にはチームメートの近藤健介と伊藤大海に加え、侍ジャパンの面々が輪に加わって胴上げ。球場が一体となって杉谷を送り出した。
日本ハムの監督として、杉谷のプロ2年目から10シーズンをともにした侍ジャパンの栗山監督は、「侍ジャパンの選手みんなに胴上げされるってありえないくらい幸せなこと」とラストシーンを振り返りつつ、「ただ、僕としてはもう少しあいつに野球をやらせてあげたかったなと、僕の力がなくて引退しなきゃいけなくなってるという事に関しての責任が大きい」ともコメント。
胴上げされる愛弟子の姿を見守り、「ちょっとだけ、皆のおかげで『拳士よかったな』って(思えた)。僕は責任を感じています」と胸の内を明かした。