プロ入り3年目で初の一軍未勝利
DeNAの3年目左腕・坂本裕哉投手(25)が22日、契約更改交渉に臨み、「すみません。少し上げてもらいました。5%です」と、恐縮気味に推定年俸2300万でサインしたことを明かした。
今季は15試合に登板し防御率6.19、0勝5敗で、自身初の一軍未勝利。「期待してもらっている中、今シーズン結果が残せなくて、自分自身悔しいシーズンだった」と話し、「来年しっかり優勝するために、戦力になってくれという話をして頂きました」と交渉の席でのやりとりを振り返った。
OP戦で結果を残し開幕ローテーション入りを果たしたが、5イニングを投げきれない投球が続き、8月途中からリリーフへ配置転換。春先の意気込みとは裏腹に結果が伴わず、「2巡目以降というところ、特に4回以降に得点されるってことがすごく多かったので、そこの課題に対して修正できずにシーズン終えてしまった」と悔しさを滲ませた。
それでも、配置転換を含め様々な経験を経て「糧にしていくべくシーズンになった」と収穫も口にしており、「1アウト取ることの意味の重さだったり、大変さだったりを、中継ぎに回ったことで学んだ部分ではありますし、短いイニングだからこそ出来ることというか、一人ひとり、1球1球全力で自分の100%以上ぶつけていく気持ちで投げることを得られた」とマウンド上での心得を再確認した。
来季は「もちろん先発をやりたいっていうのはあるんですけど、求められたところで結果を出すしかないと、来年は特にそう思っているので。まだ明確にどっちとは言われてないんですけど、与えられたところでしっかり自分の役割を全うしていきたいなと思います」とフォア・ザ・チームを強調した。
オフは濵口遥大や大貫晋一が通うジムで、アメリカのドライブラインの資格を持つトレーナーの指導を仰ぐ予定。「フェニックスリーグのときから小杉(陽太)コーチと一緒に取り組ませてもらって、自分の中ですごい感覚が良くなるってものがあったので、自分で深く勉強してピッチングの中に取り入れたいなと思いました」とレベルアップを図る。
「いま自分の真っ直ぐだと一軍のトップレベルのバッターに対して真っ直ぐで勝負というところが、今シーズンしっかりできていなかった」との結果を踏まえ、「投球術だったり変化球だったりのところも並行してオフシーズンやっていくところではあるんですが、特にまっすぐの出力ってところを目に見える形でキャンプインからレベルアップできるように取り組んで行きたいと思います」と投手の基本であるストレートのブラッシュアップを狙う。
4年目のシーズンへ向け「とにかく大きな戦力としてベイスターズに貢献できるように。ここ3シーズン、ひとシーズンも今年は良かったって終われるシーズンがなかったので、そう思って終われるシーズンに来年はしたいと思っています」と力強く宣言した左腕。未勝利に終わった今シーズンの悔しさを胸に、来季こそ飛躍の年にしてみせる。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)