「生涯横浜って言い方が正しいかわからないけど」
メジャーか残留か…去就が注目されていたDeNAのストッパー・山﨑康晃投手が26日、横浜スタジアムで行われた「ファンフェスティバル2022」で来季以降もチームに残留することを報告した。
多くのファンが駆けつけた横浜スタジアムのビジョンに、昨年亡くなった最愛の母の思い出も含まれたビデオが場内に流され、その後山﨑本人が登場。「僕自身、来年、この横浜スタジアムでプレーすることを決めました!」と高らかに宣言すると、スタンドのファンからは歓喜の拍手が響き渡った。
20、21年と思わしくない成績が続いたこともあり「最愛の母を亡くして本当に苦しい時間でした」と胸の内を吐露すると、感極まってスピーチを中断させてしまう場面も。「昨年守護神に返り咲いて、最後まで横浜スタジアムで投げることができました。僕自身は今年のシーズン本当にパワーをもらうことができましたし、やりがいを感じたシーズンでもした。これからも僕の夢と、みなさんと一緒に飛び続けてもらえればと思います」と結んだ。
その後、取材に応じた山﨑は「正直な事を言うと、本当にギリギリまで悩んだ結果です。僕自身決めたのは2日、3日前ですね。この道でいいのかなと悩むこともありました。昨年亡くなった母のこと、家族のこともありました」と、決断は簡単ではなかったと告白。
決め手は「昨年非常に楽しかったんです。やりがいのあるシーズンだった。優勝争いから始まり、三嶋(一輝)さんの離脱もあったり、若手の台頭もあったり。その中で僕が残って守護神を確約されているかと言えばそうではない。伊勢(大夢)がいたり、入江(大生)がいたり、良い選手がいる中で、まだまだ9回のマウンドに立ち続けていたいと思ったんで、優勝するために力を発揮していきたい」と、チーム内競争からもやりがいを感じたと明かした。
「想像でしかないですけれども、レベルの高い場所ですし、今回このタイミングでメジャーの道をひとまず封印ということで、次のステップ、僕自身は横浜を優勝させるため、まずは自分の夢を負い続けていきたいなと思います」と、メジャー挑戦よりも愛する横浜を頂点に導くことを、自らの次の夢に設定した。
来季以降の新たな契約は今朝まとまったようで、「生涯横浜って言い方が正しいかはわからないですけど」と前置きした上で「6年契約をしていただいて、すごく横浜に優勝を導くために評価していただいたと思っていますし、リリーバーで一般的に言ったら短命と言われるようなポジションでここまでの長期契約をしていただいて、本当に頭が上がらない思い」と球団への感謝の思いも述べた。
新シーズンもともに戦うファンへ向けては、「ワクワクするプレーを見せていきたいです。ハマスタのヤスアキジャンプをですね、また大声で満員で作っていただいて、その中でチームを飛躍させることができる年にしたい。その先もハマスタでファンの皆様の応援とともに、歓喜を味わっていきたい」と誓った小さな大魔神。この先の夢はスバリ、念願の胴上げ投手だ。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)