目標は「世界一」チーム力強化へ設備投資も
ソフトバンクは30日、ファーム本拠地があるHAWKSベースボールパーク筑後にて四軍制導入発表会見を行った。
さらなる若手選手育成とチーム戦力強化を目的にファーム拡充を目指すソフトバンクは、来季から育成契約を含めた選手数を今季の105人から122人(予定)まで増やし、試合数も三軍140試合から、三・四軍合計229試合まで増加予定。四軍は三軍同様に独立リーグの球団等を相手に実戦を重ねるという。
日本プロ野球には一軍戦に出場する前提となる支配下選手枠70人という上限があり、育成契約の選手たちにとっては、これまで以上に熾烈な生存競争に臨むことになるが、三笠杉彦GMはアマチュア時代に故障経験がある選手など、より多くの原石に出会う可能性も広がると説明。日本代表での活躍も記憶に新しい千賀滉大や甲斐拓也、周東佑京らに続く新たな“育成の星”発掘を目標にファームを拡大する。
三笠GMは「二軍は一軍にチャレンジをする調整を行っている選手が中心。三軍は2年目以降の育成選手が中心。四軍はカラダ作りと試合経験。そういうような使い分けを想定している」と語り、三・四軍は「選手の育成状況に応じて所属を使い分けるというイメージで考えている」と構想を明かした。
日本球界トップの大所帯を抱え、来季からは星野順治氏(48)を「投手コーディネーター」、関川浩一氏(53)を「野手コーディネーター」という新ポストに配置し育成方針の統一を図るほか、人員増加に対応するため選手寮などの球団施設を増改築予定。24年以降にはバイオメカニクスやトラッキングシステムを取り入れた最先端設備を導入し、トレーニング環境のさらなる改善も図っていくという。
球界初の試みとなる四軍創設の先に見据えるのは世界一。三笠GMは「我々は『めざせ世界一!』をスローガンに掲げて取り組んでいますが、野球で言えばMLBチームに勝てるようなプロ野球チームをつくるという取組の一環。筑後から最強軍団になるということを追求して、世界一のプロ野球チームになるということを目指して取り組んでいきたいと思っています」と野望を口にした。
また、チームの戦力強化だけでなく、ファンとの“タッチポイントの強化”も四軍制に関わるテーマの一つだという。太田宏昭専務は「一軍から四軍まで全てそうですけど、私達が会社としてやりたいと思っているのは、皆さんに感動していただきたい、楽しんでいただきたいということ」と球団の総意を代弁。
三・四軍戦では中学生以下のこどもの観戦料金を無料とするほか、球団公式動画チャンネル「ホークスTV」にて中継する三・四軍戦では将来的な「AI自動中継」の導入に向け調整しているという。
地元自治体と連携しながら、チームをさらなる高みへ。ソフトバンクは筑後を起点に世界一の球団を目指している。