変わらぬ横浜愛
10年ぶりにDeNAに帰ってきた藤田一也が30日、契約更改交渉に臨み、現状維持の年俸1800万円(推定)でサインした。
楽天に在籍していた昨季はプロ入り後では初の一軍出場なしに終わったが、今季は33試合に出場。春先は代打の切り札としてお立ち台に2回も登り、あらためてベテランとして存在感を示した。
契約更改後の会見では、一軍で過ごした充実の日々に「すごく疲れたな」と一言。「打席に入るときグラウンドでコールされたとき、ファンの方々の声援は鳥肌が立つほど嬉しかったし、心にも響いた。ファンの前でプレーできる幸せな一年だったと思います」と振り返った。
そう語った反面、「悔しいシーズンだった」とも話し、CSファイナルステージで最終打者となったことについては「今でも引きずっています。シーズンを終わらせてしまって、無理なのかなと感じることもありました」と、キャリアの進退も脳裏によぎったことを告白した。
ただ、藤田とともに今季DeNAに加入した大田泰示からの電話、チームメイトや知人からの激励もあり、「グラウンドでの悔しい思いはグラウンドで返すしかない」と再び心を燃やした。
今では「一年でも長くやりたいという気持ちは持ってます。横浜で優勝するまでは引退したくない。そのつもりで横浜に戻ってきたと思っていますし、しっかりと夢を叶えて現役生活を終えたい」と言い切った。
入団時から横浜に入団したい、そして復帰会見でも口にした“横浜愛”は一年経っても不変。「悔しい思いをしてもファンの方は温かい言葉をかけてくれる、感動したと言ってくれる方もいました。応援もゲキももらっている。自分自身プロ野球選手でいる以上、結果を求めらてると思っているので、ベイスターズファンの皆さんに、この悔しさを結果でぶつけられるようにしたい」と誓った。
ハマの牛若丸は不惑を迎えてなお、横浜のためにレベルアップしていく。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)