レンジャーズ時代の有原航平

◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2022年:第8回・有原航平

 2020年のオフにレンジャーズと2年契約を結んだ有原航平。1年目の昨季は度重なる故障もあって10試合の登板に留まり、2勝4敗で防御率6.64に終わった。

 名誉挽回を期した今季だったが、ロースター(40人枠)外からという厳しい立場でスタート。スプリングトレーニングには招待選手として参加したが、2試合で防御率19.64と結果を残せず、結局開幕はマイナーで迎えた。

 3Aでは主に先発を任され、19試合で3勝6敗、防御率4.86と成績は平凡。しかし、8月中旬にようやく声が掛かり、11カ月ぶりにメジャーにマウンドに立った。

 今季の初登板はアスレチックス戦。先発として6回途中まで投げ、3失点とまずまずの投球を披露すると、続くツインズ戦では6回を無失点にピシャリと抑え、この時点で防御率を2.31とした。

 ところが、その後は3試合に登板(うち2試合が先発)するも、計19失点と大炎上。昇格から1か月も経たないうちにマイナーにUターンする羽目になった。

 結局メジャーでは5試合に登板して1勝3敗、防御率9.45という低調な成績で不本意な2年目を終えている。

◆ 自身の強みが…

 昨季は40回を超えた投球イニング数だが、今季は20回に半減。投球回数が限られているため、あくまでも参考程度にはなるが、1年目に比べて目についたのが『不安定な制球力』だった。

 9イニング当たりに与えた四球数を表す与四球率は、昨季の「2.88」から「4.95」に大幅悪化。日本ハム時代から制球には定評がある投手だったが、メジャー2年目はその強みすら失われていた。

 様々な球種を操る技巧派タイプの有原だが、メジャー2年間で唯一通用していたのが“落ちる系”の球だった。

 球種割合はそれほど多くなかったが、過去2年の球種別被打率を見ると、スプリットは「.174」と「.188」で2年連続の1割台。チェンジアップは「.150」と「.222」で、この2つの球種はウイニングショットとしてある程度機能していた。

 もちろん、これらの決め球を生かすには生命線のカットボールやツーシームが重要となるが、これらの球種を痛打される場面が多く、総合的に見て力不足だった感は否めない。

 11月に自由契約の道を選んだ有原は、これで日米すべての球団と交渉が可能となった。

 不完全燃焼のまま日本に帰国するのか、それともメジャーで新たな移籍先を探すのか……。今まさに野球人生の岐路に立っている。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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