ロッテは2年連続2位となり1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝への機運が高まった今季、リーグ5位に終わった。
投手陣は美馬学が後半戦抜群の安定感を見せ2年ぶりに二桁勝利を達成、小島和哉は2年連続で規定投球回に到達したものの3勝11敗と大きく負け越し、佐々木朗希は4月10日のオリックス戦で完全試合を達成するなど9勝をマークした。リリーフ陣は勝利の方程式を最後まで固定することができず、夏場には益田直也からオスナに抑え交代もあった。捕手陣に目を向けると、今季は新人の松川虎生、大卒3年目の佐藤都志也を中心にマスクを被った。チーム防御率リーグ4位の「3.39」だったが、失点数はリーグワーストの「536」失点。投手陣をシーズントータルで見るといい部分も悪い部分も多かった印象だ。来季に向けて投手陣をどう立て直していく必要があるのかーー。
そこで、現役時代に5年連続2桁勝利を挙げ、2005年のリーグ優勝・日本一に“エース”として貢献し、現役引退後は2年間投手コーチを務めたロッテOBの清水直行さんに、ロッテ投手陣について“8つのテーマ”で語ってもらった。第1回のテーマは「佐々木朗希」投手だ。
清水さんは今季の佐々木について「よく投げた方だなと思います」と評価する。“よく投げた”部分について具体的に訊いてみると、「私は佐々木朗希投手を、高卒3年目としか見ていないんですよ。みんな“日本のエース”、“ストレートのスピード”、“すごい能力”というのが先行しすぎて、実際は彼の年齢、体の出来具合を見て高卒3年目でここまでよく投げたなという印象です」と説明。
佐々木はプロ3年目の今季、初登板となった3月27日の楽天戦で自己最速となる164キロを計測すると、4月10日のオリックス戦ではプロ野球史上16人目となる完全試合達成&NPBタイ記録となる1試合19奪三振を記録。続く17日の日本ハム戦でも8回を無安打に抑える投球を見せるなど、3・4月は5試合に先発登板して、リーグトップタイの3勝、リーグトップの60奪三振の成績を残し、初の月間MVPを受賞した。
5月は6日のソフトバンク戦で6回1失点、13日のオリックス戦も7回1失点、20日のソフトバンク戦も6回1失点、27日の阪神戦は6回無失点と中6日の登板でもしっかりと先発の役割を果たした。5月終了時点で、佐々木は9試合・61回を投げ、5勝0敗、奪三振数は投球回数を大きく上回る94、防御率は1.33。
佐々木の良さについて清水さんは「好不調の波があるにせよ、野球にしっかり取り組んでいるところが良さでもあり、ピッチャーとしてのメンタル、駆け引きは今後必要なんですけど、自分の投げたいボールをしっかり投げようという意識の強さは見えましたね」と話す。
6月3日の巨人戦で5回5失点で今季初黒星を喫すると、6月に入ってから登板間隔を開けて先発することが増えた。
6月以降、登板間隔が開いたのも清水さんからみると「全然想定内で、佐々木朗希という投手を預かっている千葉ロッテマリーンズは、いろんな思惑があると思うんですけど、焦らずしっかりステップアップさせている。ただ佐々木朗希に関して辛抱しているように見えますね」と述べた。
また佐々木が登板を重ねるごとに相手チームもコンパクトに振ってきたり、足で揺さぶってきたりと対策をしてきた。
「まだまだ対応というのは今後、必要だと思いますよ。かといってなんなくこなしているかと言ったらそうではないと思っているので、全てをこなせているピッチャーではない。そういう意味ではまだまだピッチャーとしての成長は余地があると思いますね」。
シーズントータルで見ると規定投球回に届かなかったものの、129回1/3を投げて9勝4敗、防御率2.02、リーグ2位の173奪三振を記録した。来季、吉井理人監督は「佐々木朗希には育成計画として今年は1年間、一軍のマウンドで投げることが目標だったのですが、来季はその1個上、中6日でしっかり25試合くらい1週間に1回、健康な体で上がれるというのが来季の目標です」と話している。
清水さんは来季の佐々木朗希について、「143試合ローテーションで回ったら1人に与えられる登板数が約24試合なので、そう考えると僕としては24試合投げてほしい。24試合先発すれば、ローテーションが1回も飛んでいない計算になるんですよ。今年ビジターでの経験も多かったので、僕としては24試合投げて、プラスポストシーズンというイメージですね」と期待を寄せた。
取材・文=岩下雄太
投手陣は美馬学が後半戦抜群の安定感を見せ2年ぶりに二桁勝利を達成、小島和哉は2年連続で規定投球回に到達したものの3勝11敗と大きく負け越し、佐々木朗希は4月10日のオリックス戦で完全試合を達成するなど9勝をマークした。リリーフ陣は勝利の方程式を最後まで固定することができず、夏場には益田直也からオスナに抑え交代もあった。捕手陣に目を向けると、今季は新人の松川虎生、大卒3年目の佐藤都志也を中心にマスクを被った。チーム防御率リーグ4位の「3.39」だったが、失点数はリーグワーストの「536」失点。投手陣をシーズントータルで見るといい部分も悪い部分も多かった印象だ。来季に向けて投手陣をどう立て直していく必要があるのかーー。
そこで、現役時代に5年連続2桁勝利を挙げ、2005年のリーグ優勝・日本一に“エース”として貢献し、現役引退後は2年間投手コーチを務めたロッテOBの清水直行さんに、ロッテ投手陣について“8つのテーマ”で語ってもらった。第1回のテーマは「佐々木朗希」投手だ。
清水さんは今季の佐々木について「よく投げた方だなと思います」と評価する。“よく投げた”部分について具体的に訊いてみると、「私は佐々木朗希投手を、高卒3年目としか見ていないんですよ。みんな“日本のエース”、“ストレートのスピード”、“すごい能力”というのが先行しすぎて、実際は彼の年齢、体の出来具合を見て高卒3年目でここまでよく投げたなという印象です」と説明。
佐々木はプロ3年目の今季、初登板となった3月27日の楽天戦で自己最速となる164キロを計測すると、4月10日のオリックス戦ではプロ野球史上16人目となる完全試合達成&NPBタイ記録となる1試合19奪三振を記録。続く17日の日本ハム戦でも8回を無安打に抑える投球を見せるなど、3・4月は5試合に先発登板して、リーグトップタイの3勝、リーグトップの60奪三振の成績を残し、初の月間MVPを受賞した。
5月は6日のソフトバンク戦で6回1失点、13日のオリックス戦も7回1失点、20日のソフトバンク戦も6回1失点、27日の阪神戦は6回無失点と中6日の登板でもしっかりと先発の役割を果たした。5月終了時点で、佐々木は9試合・61回を投げ、5勝0敗、奪三振数は投球回数を大きく上回る94、防御率は1.33。
佐々木の良さについて清水さんは「好不調の波があるにせよ、野球にしっかり取り組んでいるところが良さでもあり、ピッチャーとしてのメンタル、駆け引きは今後必要なんですけど、自分の投げたいボールをしっかり投げようという意識の強さは見えましたね」と話す。
6月3日の巨人戦で5回5失点で今季初黒星を喫すると、6月に入ってから登板間隔を開けて先発することが増えた。
6月以降、登板間隔が開いたのも清水さんからみると「全然想定内で、佐々木朗希という投手を預かっている千葉ロッテマリーンズは、いろんな思惑があると思うんですけど、焦らずしっかりステップアップさせている。ただ佐々木朗希に関して辛抱しているように見えますね」と述べた。
また佐々木が登板を重ねるごとに相手チームもコンパクトに振ってきたり、足で揺さぶってきたりと対策をしてきた。
「まだまだ対応というのは今後、必要だと思いますよ。かといってなんなくこなしているかと言ったらそうではないと思っているので、全てをこなせているピッチャーではない。そういう意味ではまだまだピッチャーとしての成長は余地があると思いますね」。
シーズントータルで見ると規定投球回に届かなかったものの、129回1/3を投げて9勝4敗、防御率2.02、リーグ2位の173奪三振を記録した。来季、吉井理人監督は「佐々木朗希には育成計画として今年は1年間、一軍のマウンドで投げることが目標だったのですが、来季はその1個上、中6日でしっかり25試合くらい1週間に1回、健康な体で上がれるというのが来季の目標です」と話している。
清水さんは来季の佐々木朗希について、「143試合ローテーションで回ったら1人に与えられる登板数が約24試合なので、そう考えると僕としては24試合投げてほしい。24試合先発すれば、ローテーションが1回も飛んでいない計算になるんですよ。今年ビジターでの経験も多かったので、僕としては24試合投げて、プラスポストシーズンというイメージですね」と期待を寄せた。
取材・文=岩下雄太