「6年間、多くの方々に支えていただき感謝」
9日に『現役ドラフト』が開催され、DeNA・細川成也外野手(24)の中日移籍が決まった。
細川は球団を通じ「このたび、中日ドラゴンズに移籍することが決まりました。ベイスターズでの6年間、多くの方々に支えていただき本当に感謝しています。そして、ファンの皆さまの応援がすごく心強かったです。今後は新天地で活躍している姿をお見せできるよう頑張っていきたいと思います」とコメントした。
明秀日立高から2016年のドラフト5位でDeNA入り。1年目に横浜スタジアムのバックスクリーンを直撃するプロ初アーチを放つなど、その類まれなパワーでいきなりファンを魅了した。しかし、以降はなかなか一軍に定着できず、6年目の今季は18試合の出場で打率.053、1本塁打、1打点。DeNAでの一軍通算成績は、打率.201、6本塁打、19打点、OPS.602だった。
それでも、イースタン・リーグ(二軍戦)では“若き大砲”として順調に成長。2020年はファーム3冠(本塁打王、打点王、最高出塁率)に輝くなど、2019年から4年連続で2ケタ本塁打とOPS8割超えをマークしている。
結果的に一軍の壁に阻まれているが、DeNAの外野陣は左翼・佐野恵太、中堅・桑原将志と安定したレギュラーに加え、健康ならば右翼にはオースティンが入る。大卒でプロ入りした楠本泰史、蝦名達夫らも順調に育っており、さらに今季から、細川とタイプが重なる大田泰示が加入。他球団と比較しても外野陣は充実していた。
一方で新天地となる中日は、今季12球団ワーストの62本塁打&414得点と長打力不足に苦しむチーム。外野のレギュラーには大島洋平と今季ブレイクした岡林勇希がいるが二人とも左打ち。今季不在だった正左翼手候補として、新たにメジャー通算41本塁打の右打者・アキーノ、そして2020年まで在籍していた両打ちのアルモンテを獲得した。その他、ブライト健太、鵜飼航丞、福元悠真ら、楽しみな大砲候補はいるが未知数。一軍定着という面でも、細川はチャンスの多い球団へ移籍したと言える。
今回の現役ドラフトで、DeNAが獲得したのは中日の左腕・笠原祥太郎。奇しくもトレードのような形となり、細川がプロ初本塁打を放った相手が笠原という因縁もある。互いに求められて行く新天地。「現役ドラフトの成功例」と言われる飛躍に期待したい。