ロッテの先発陣のチーム先発防御率は4月終了時点でリーグトップの「1.47」だったが、終わってみればリーグ5位の「3.35」。今季規定投球回に到達した投手が小島和哉、また二桁勝利を挙げたのは美馬学のみだった。
ロッテOBの清水直行さんに、ロッテ投手陣について“8つのテーマ”で語ってもらう第2回のテーマは「先発投手」。
清水さんはロッテの先発陣に「規定投球回に到達しているのが小島だけなんですよね。先発投手の突き上げがないので、ロッテとしては来年も大変な作業だと思っています。美馬、石川に頼っているとまた同じことになる。ロッテは結構厳しいです。河村も怪我上がりなので、今年使ってもらった先発が復活してこないと難しいかなと思います」と指摘した。
2年連続で規定投球回に到達した小島だが、今季は3勝11敗と黒星が先行。清水さんは「いつ打たれているのかというところだけ。与えた四球が43個あって被本塁打は10本。1年間ローテーションピッチャーで、(被本塁打を)10本で抑えているのはそこそこ優秀なんですよね」と話す。
「小島に関してはピッチャーとしてどうやって勝ち星を拾っていくか、試合の流れの中で、どこで踏ん張らなければいけないのか、というところの勘、嗅覚がもっともっと養われていくと、この数字は逆になってもおかしくないと思っています。スピードは入団当初より上がっているので、そういうところかなと見ています」と分析した。
先発は美馬、石川歩、ロメロ、小島といった経験のある投手に頼り、二木康太、河村説人、本前郁也、佐藤奨真など若手、中堅にもチャンスが回ってきたが、先発のポジションを掴む投手が出てこなかった。
「本当にそういう意味では停滞しているなと見ていますね。佐々木朗希にウエイトがかかりすぎているのかわからないんですけど、その部分では伸びてきていないと見ています。その中で先発投手はどんどん若手投手を使って欲しかったんですけど、結局は目先の勝ちじゃないですが、若手ではなくて経験豊富なベテランでなんとかしてくれるだろうというところに期待値をかけすぎた。結局、若手になんとかしてこいというところがなかった。吉井監督がどうやって組み立てていくのか、黒木コーチが入ってそう言ったところは期待したいですね」。
清水さんが話したようにクライマックスシリーズ進出を争っていたシーズン最終盤の9月23日のソフトバンク戦では、4回まで1失点に抑えていた先発・本前郁也が2-1の5回一死一、二塁でデスパイネを迎え、岩下大輝にスイッチしたこともあった。
また、清水さんは若い先発投手に“投球術”の重要性についても説いた。
「投球術がない投手を先発に回しても難しい部分があります。2廻り目は絶対に抑えてもらわないといけないのが先発ピッチャー。そういう意味では、2廻り、3廻りまで抑えられる球種、メンタル、投球術を持っているピッチャーを探し出して、投げ切らしていかないといけないんじゃないかなと思います」。
「パッと見て誰が(その能力を)持っているのと思って見たときに、もう一度教育しないといけないと思っているので、教育となるとファームでローテーション投げさせるとか。打たれてもローテーションで投げて、長いイニングを投げる術を自分で見つけないといけない」。
佐々木朗希が今季9勝をマークしたが、若い投手陣は育っているようで、育っていないのが現実だ。
「佐々木朗希投手をうまく育てているから育成上手みたいなのがありますけど、全然育てていない。ドラフトのバランスも悪い、ウィークポイントとか、世代がバラバラだし、防御率だけ見れば3.39でなんとかピッチャー陣というけど、みんなちょこちょこ頑張りの3.39なので、誰かが柱にいる人間がいるかと言ったらいない。ずっとそうなので、かなり危機感を持ってやってほしいなと思います」。
取材・文=岩下雄太
ロッテOBの清水直行さんに、ロッテ投手陣について“8つのテーマ”で語ってもらう第2回のテーマは「先発投手」。
清水さんはロッテの先発陣に「規定投球回に到達しているのが小島だけなんですよね。先発投手の突き上げがないので、ロッテとしては来年も大変な作業だと思っています。美馬、石川に頼っているとまた同じことになる。ロッテは結構厳しいです。河村も怪我上がりなので、今年使ってもらった先発が復活してこないと難しいかなと思います」と指摘した。
2年連続で規定投球回に到達した小島だが、今季は3勝11敗と黒星が先行。清水さんは「いつ打たれているのかというところだけ。与えた四球が43個あって被本塁打は10本。1年間ローテーションピッチャーで、(被本塁打を)10本で抑えているのはそこそこ優秀なんですよね」と話す。
「小島に関してはピッチャーとしてどうやって勝ち星を拾っていくか、試合の流れの中で、どこで踏ん張らなければいけないのか、というところの勘、嗅覚がもっともっと養われていくと、この数字は逆になってもおかしくないと思っています。スピードは入団当初より上がっているので、そういうところかなと見ています」と分析した。
若手の突き上げを!
先発は美馬、石川歩、ロメロ、小島といった経験のある投手に頼り、二木康太、河村説人、本前郁也、佐藤奨真など若手、中堅にもチャンスが回ってきたが、先発のポジションを掴む投手が出てこなかった。
「本当にそういう意味では停滞しているなと見ていますね。佐々木朗希にウエイトがかかりすぎているのかわからないんですけど、その部分では伸びてきていないと見ています。その中で先発投手はどんどん若手投手を使って欲しかったんですけど、結局は目先の勝ちじゃないですが、若手ではなくて経験豊富なベテランでなんとかしてくれるだろうというところに期待値をかけすぎた。結局、若手になんとかしてこいというところがなかった。吉井監督がどうやって組み立てていくのか、黒木コーチが入ってそう言ったところは期待したいですね」。
清水さんが話したようにクライマックスシリーズ進出を争っていたシーズン最終盤の9月23日のソフトバンク戦では、4回まで1失点に抑えていた先発・本前郁也が2-1の5回一死一、二塁でデスパイネを迎え、岩下大輝にスイッチしたこともあった。
また、清水さんは若い先発投手に“投球術”の重要性についても説いた。
「投球術がない投手を先発に回しても難しい部分があります。2廻り目は絶対に抑えてもらわないといけないのが先発ピッチャー。そういう意味では、2廻り、3廻りまで抑えられる球種、メンタル、投球術を持っているピッチャーを探し出して、投げ切らしていかないといけないんじゃないかなと思います」。
「パッと見て誰が(その能力を)持っているのと思って見たときに、もう一度教育しないといけないと思っているので、教育となるとファームでローテーション投げさせるとか。打たれてもローテーションで投げて、長いイニングを投げる術を自分で見つけないといけない」。
佐々木朗希が今季9勝をマークしたが、若い投手陣は育っているようで、育っていないのが現実だ。
「佐々木朗希投手をうまく育てているから育成上手みたいなのがありますけど、全然育てていない。ドラフトのバランスも悪い、ウィークポイントとか、世代がバラバラだし、防御率だけ見れば3.39でなんとかピッチャー陣というけど、みんなちょこちょこ頑張りの3.39なので、誰かが柱にいる人間がいるかと言ったらいない。ずっとそうなので、かなり危機感を持ってやってほしいなと思います」。
取材・文=岩下雄太