吉田正はレッドソックス、千賀はメッツと合意
盛り上がりを見せるサッカーW杯のカタール大会。日本代表は決勝トーナメント1回戦でクロアチア代表にPK戦の末に惜敗したが、予選リーグでは強豪のドイツとスペインに勝利など快進撃を見せた。4年に1度の祭典の裏で、ストーブリーグに入った野球界も例年の12月にはない盛り上がりを見せている。ビッグニュースが続いたこの1週間を改めて振り返ってみたい。
まずは来年3月に開催されるワールド・ベースボール・クラッシック(WBC)の野球日本代表・侍ジャパンに、頼もしい二人が加わることになった。第2回大会の優勝を知るダルビッシュ有(パドレス)が、今月6日に「栗山監督に『来年のWBC出場しなさい』と言われたので出場します」とツイート。さらに8日には、鈴木誠也(カブス)が「報告遅くなりすいません! 僕もWBCに出場させていただきます。足引っ張らないように精一杯頑張ります。ではさよなら。栗山監督胴上げするぞぉー」とつづった。
11月中旬には大谷翔平(エンゼルス)も参戦を表明しており、メジャー選手を加えた“最強ジャパン”結成に期待が膨らむ。その大谷は今月6日に今季大活躍した選手で構成される『オールMLBチーム』に、先発投手部門でファーストチーム、指名打者部門でセカンドチームに選出。改めて“スーパー二刀流”の凄みを証明した。
移籍関連では8日、オリックスをリーグ連覇に導いた吉田正尚のレッドソックス入りが決定。ポスティング公示されたのは7日だったが、わずか1日でスピード合意。しかも、5年総額9000万ドル(現在のレートで約123億円)は、昨オフに鈴木がカブスと結んだ5年総額8500万ドルを超え、日本人野手では史上最高額の大型契約。オリックスには1537万5000ドル(約21億円)の譲渡金が支払われる見込みだ。
11日には、海外FA権を行使しメジャー移籍を目指していた千賀滉大(ソフトバンク)が、メッツと5年総額7500万ドル(約102億円)で合意したと報じられた。メッツはジェイコブ・デグロムが抜けたものの、新たにジャスティン・バーランダーが2年8660万ドル(約118億円)で加入。シャーザーを加えた豪華ローテ構築に期待が膨らむ。
メジャーリーガーではさらに、大谷を抑え今季のア・リーグMVPに輝いたアーロン・ジャッジのヤンキース残留が決定。その金額はなんと9年総額3億6000万ドル(約492億円)。この契約はメジャーFA史上での最高額となった。その他にも、デグロムは5年1億8500万ドル(約253億円)でレンジャーズへ。ザンダー・ボガーツはパドレスと11年2億8000万ドル(約382億円)の長期契約を結んだ。
村上は3年18億で契約更改、現役ドラフトで12選手が新天地へ
国内では9日、今シーズン史上最年少で3冠王に輝いた村上宗隆が、ヤクルトと新たに3年18億円の大型契約を結んだ。プロ6年目での単年6億円到達はプロ野球史上最速。さらに3年後の2025年オフに、ポスティングを利用してのメジャー挑戦も容認された。村上は3年後でもまだ25歳。このまま好成績と健康を維持することができれば、上述の吉田正や鈴木を上回る大型契約で海を渡るかもしれない。
また同じく9日には、出場機会の少ない選手の移籍活性化を目指す『現役ドラフト』が初めて行われ、各球団ひとりずつ、計12選手の新天地が決定した。巨人は楽天からオコエ瑠偉を獲得した一方で、中継ぎ左腕の戸根千明が広島へ移籍。DeNAと中日は、細川成也と笠原祥太郎が入れ替わる形で新天地へ旅立つことになった。
現役ドラフトで各球団が獲得した選手は以下の通り。( )内は今季所属。
【パ・リーグ】
オリックス:渡邉大樹(ヤクルト)
ソフトバンク:古川侑利(日本ハム)
西武:陽川尚将(阪神)
楽天:正隨優弥(広島)
ロッテ:大下誠一郎(オリックス)
日本ハム:松岡洸希(西武)
【セ・リーグ】
ヤクルト:成田翔(ロッテ)
DeNA:笠原祥太郎(中日)
阪神:大竹耕太郎(ソフトバンク)
巨人:オコエ瑠偉(楽天)
広島:戸根千明(巨人)
中日:細川成也(DeNA)