二木に厳しい言葉
現役時代5年連続2桁勝利を挙げ、2005年のリーグ優勝・日本一に“エース”として貢献し、現役引退後は2年間投手コーチを務めたロッテOBの清水直行さんに“8つのテーマ”でロッテ投手陣について語ってもらう第3回のテーマは「二木康太と種市篤暉」だ。
二木と種市はドラフト6位でプロ入りし、プロ3年目の17年に二木が7勝、同じくプロ3年目の19年に種市が8勝をマークした。その後、先発の中心で投げていくか思われたが、種市は20年9月にトミー・ジョン手術を受け、今季2年ぶりに一軍登板し1試合の登板に終わった。二木は4年目の17年に規定投球回に到達し、背番号が「18」に変更となった20年にシーズン自己最多の9勝を挙げたが、昨季は5勝、今季は2勝。上位進出するためにも、やはり経験のある彼らに活躍してもらわなければならない。そこで清水さんに二木と種市について訊いた。
清水さんは二木について「マイナーチェンジどころではなく、モデルチェンジをしていかないと、しんどいかなと思いますね」と厳しい。「何がしんどいのと言ったら真っ直ぐが走らなかったらキツい。代名詞となるのがドロンとするカーブであったり、フォークなんですけど、最近見ていると落差はない。カーブもコントロールを自分でしたいんですけど、真っ直ぐが走らないので怖くない。もう一度ストレートのキレを戻さないと」。
「もしくはモデルチェンジして、ボールを左右にふっていく配球ですとか、技術、球種を覚える、ツーシームを覚える、シュートを投げる、ある程度のところまではプロ野球のピッチャーで若い頃にはそういうボールに頼るなという派なんですけど、二木ぐらいの年齢になってきたら思い切ったモデルチェンジをしないといけない」。
「上から投げているのを横から投げろと言っているのではなくて、自分の今までやっていた投球の理想の抑え方、アウトの取り方、打たせてとるアウトの取り方など、今までのイメージを思い切って変えていかないと、先発としてもう一度花を咲かすのは難しいと思います」。
清水さんが現役時代に背負った背番号“18”を着ける後輩に、期待しているからこそ、厳しい言葉で奮起を促した。
種市の復活に期待
種市について清水さんは「活躍してもらわないと困る」と話し、「今年ある程度復活という形で投げてきたんですけど、どこまでいっても、僕の中で種市が“エース”というのは変わっていないんですよ」と期待を寄せる。
「彼は来年で25歳。僕のキャリアスタートが25歳、そう考えれば種市も大学、社会人を経験した6年と仮定して、手術は挟んだんですけど、その期間使い減りしていない。吉井監督のプランの中で、どんどん種市投手は投げさせて欲しいと思います」。
「感覚は投げないと戻ってこないので、1試合投げた後、疲れがというところではなくて、ローテーションで投げさせるのであれば、プランを持ちながら。種市は投げられそうではなくて、投げてもらわなければ困る。一番中心になってもらわないと困りますね」。
石川、美馬といったベテランに頼るのではなく、小島、佐々木朗希とともに二木、種市にも先発ローテーションの中心で投げることができれば、大きな戦力になる。二木の奮起、種市の復活に期待したいところだ。
取材・文=岩下雄太