「一番は打点王」
DeNAの主砲・牧秀悟が13日、契約更改交渉に臨み、5000万円アップの年俸1億2000万でサイン。球団史上最速となるプロ3年目で1億円の大台を突破し、「一つの目標でありましたし、本当に球団さんからこういう評価をしていただいたので、ありがたいなと思っています」と素直に喜びを表現した。
プロ入り2年目の今季は、出場した全135試合で「4番」に座り、打率.291こそ昨季を下回ったが、24本塁打、得点圏打率.331、本人がこだわっていた打点87は、いずれもルーキーイヤーを超える好成績をマーク。
交渉の席で「今年は本当によくやってくれたと言われましたし、また来年もチームの中心として頑張っていってほしい」と、労いと期待の言葉をかけられたことを明かし、「打率こそ1年目よりは打てませんでしたけど、打点と本塁打は超えることができたので良かった」と胸を張った。
ただ、前年最下位から2位にジャンプアップしたチームの成績については一定の満足感を示したものの、「優勝を目の前でされている悔しさはあるので、来年こそ逆の立場で優勝したいなという気持ちが一つ芽生えてきたかなと思います。来年こそリーグ優勝を目指して、また一から準備して戦っていきたい」とリベンジも誓った。
オフは「シーズン中でも守備なりバッティングなり、わからないときは大和さんに声かけて返答をくれています。本当にその一言でヒット打てたりしている」と信頼を寄せるベテランと2年連続で自主トレをする予定。「今年もやっぱり守備で足を引っ張ってしまったことがあったので、大和さんに一つ一つの動きをしっかり学んで自分のモノにしていきたい。打撃のほうも大和さんの勝負強さを」と、“師匠”から攻守ともに学んでいく構えだ。
DeNA内野陣は大和や柴田竜拓、有望株の森敬斗に加え、中日から京田陽太がトレード加入、ドラフトでも大学日本代表の林琢真が加入するなど、二遊間を本職とするライバルが増えた。それでも「セカンドで出るにはこだわりがあるので、そこは負けないようにやっていきたい。1年間通して色々代わるよりは最後までセカンドで出続けたいですし、そこから打撃につなげていきたい」と“不動の二塁手”への思いを口にした。
来季も個人成績では「こだわりがある」という打点と打率を意識しつつ、「一番は打点王。本当に目指してやっていきたいなと思います」とタイトル奪取を虎視眈々と狙う。来春3月のWBCも「(侍ジャパンに)選ばれたい気持ちがすごく強い。選ばれたら覚悟を持ってやりたい」と意欲を見せた。
年俸もトップクラスとなった牧秀悟は、ハマの星から日本の星へと上り詰めていく。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)