現役ドラフトでオリックスからロッテに加入した大下誠一郎の入団会見が20日、ZOZOマリンスタジアムで行われた。
会見に同席した吉井理人監督は「内野手のファースト、サードを守れ、長打もあるということで安田のライバルになるくらい頑張ってもらいたい」と期待。大下も「1年間レギュラーとして活躍できる選手になりたい」と意気込む。
今季1996年以来となる日本一となったオリックスで大下は「全然貢献できなかった」と悔しがり、「来年からはロッテで自分が主役で出て、日本一になれるようにやりたい」と決意。現役ドラフトで移籍が決まった時には「驚きはあったんですけど、寂しいという気持ちもあまりなく、むしろやってやるぞという気持ちに切り替わりました」と強い覚悟を持ってマリーンズにやってきた。
サードでレギュラーを狙う大下だが、最大のライバルとなるのが安田尚憲だ。安田は前半戦が終了した時点で打率.247、2本塁打、15打点だったが、オールスター明けの後半戦は打率.283、7本塁打、32打点。
夏場以降の活躍は素晴らしく、8月27日の楽天戦で田中将大、翌28日には楽天の早川隆久から2試合連続となる一発を放てば、9月15日の西武戦で本塁打を含む1試合4打点の大暴れ。9月18日の日本ハム戦では4-4の9回二死二、三塁の第5打席、1ボール1ストライクから石川直也が投じた3球目の外角134キロフォークをマリーンズファンが待つライトスタンドに第8号決勝3ランと、マーティン、レアードの両外国人選手が不調の中、打線を引っ張った。シーズン終了後に行われた秋季練習では、練習中に年下の選手に積極的に声をかけるなど、野手陣を引っ張っているような印象を受け、とても頼もしい存在になってきている。
その安田とレギュラーを争うことになる大下は、力強いスイングからの長打が魅力だが、追い込まれてからバットを短く持って何球も粘る意識を持っている。四球も多くファームでは、今季打率.254だったが、出塁率は.367。一軍でも粘りの打撃、選球眼の良さを発揮できれば、十分にレギュラーを狙えるだろう。三塁だけでなく一塁も守れ、大下が来年2月の練習試合、オープン戦から結果を残せば、一塁、三塁でレベルの高い競争も期待ができる。
野手と投手で違うと言われてしまえばそれまでだが、ロッテに移籍後、花を咲かせた例もある。小野郁がその一人。FAで移籍した鈴木大地の人的補償で19年オフに加入した小野は移籍前の楽天では“一軍定着を狙う期待の若手”だったが、ロッテ移籍後はブルペンに欠かせない投手へと成長した。
ロッテ加入前は2年連続ファームで最多セーブに輝いたが、一軍通算登板は39試合、楽天最終年となった19年は13試合に登板して、防御率6.27だった。移籍後は1年目の20年に40試合に登板して防御率3.23、21年が49試合に登板して防御率3.48、そして今季はオールスターに初出場するなど44試合に登板して18ホールド、防御率1.99と、年々成績を上げている。
小野に限らず、ロッテに移籍してから活躍する選手が多い。大下はオリックスで一軍定着とはならなかったが、現役ドラフトでの移籍をきっかけに一軍定着、その先のレギュラーを掴みたいところだ。
取材・文=岩下雄太
会見に同席した吉井理人監督は「内野手のファースト、サードを守れ、長打もあるということで安田のライバルになるくらい頑張ってもらいたい」と期待。大下も「1年間レギュラーとして活躍できる選手になりたい」と意気込む。
今季1996年以来となる日本一となったオリックスで大下は「全然貢献できなかった」と悔しがり、「来年からはロッテで自分が主役で出て、日本一になれるようにやりたい」と決意。現役ドラフトで移籍が決まった時には「驚きはあったんですけど、寂しいという気持ちもあまりなく、むしろやってやるぞという気持ちに切り替わりました」と強い覚悟を持ってマリーンズにやってきた。
三塁のレギュラー候補
夏場以降の活躍は素晴らしく、8月27日の楽天戦で田中将大、翌28日には楽天の早川隆久から2試合連続となる一発を放てば、9月15日の西武戦で本塁打を含む1試合4打点の大暴れ。9月18日の日本ハム戦では4-4の9回二死二、三塁の第5打席、1ボール1ストライクから石川直也が投じた3球目の外角134キロフォークをマリーンズファンが待つライトスタンドに第8号決勝3ランと、マーティン、レアードの両外国人選手が不調の中、打線を引っ張った。シーズン終了後に行われた秋季練習では、練習中に年下の選手に積極的に声をかけるなど、野手陣を引っ張っているような印象を受け、とても頼もしい存在になってきている。
その安田とレギュラーを争うことになる大下は、力強いスイングからの長打が魅力だが、追い込まれてからバットを短く持って何球も粘る意識を持っている。四球も多くファームでは、今季打率.254だったが、出塁率は.367。一軍でも粘りの打撃、選球眼の良さを発揮できれば、十分にレギュラーを狙えるだろう。三塁だけでなく一塁も守れ、大下が来年2月の練習試合、オープン戦から結果を残せば、一塁、三塁でレベルの高い競争も期待ができる。
ロッテ移籍で若手がブレイクの例も
野手と投手で違うと言われてしまえばそれまでだが、ロッテに移籍後、花を咲かせた例もある。小野郁がその一人。FAで移籍した鈴木大地の人的補償で19年オフに加入した小野は移籍前の楽天では“一軍定着を狙う期待の若手”だったが、ロッテ移籍後はブルペンに欠かせない投手へと成長した。
ロッテ加入前は2年連続ファームで最多セーブに輝いたが、一軍通算登板は39試合、楽天最終年となった19年は13試合に登板して、防御率6.27だった。移籍後は1年目の20年に40試合に登板して防御率3.23、21年が49試合に登板して防御率3.48、そして今季はオールスターに初出場するなど44試合に登板して18ホールド、防御率1.99と、年々成績を上げている。
小野に限らず、ロッテに移籍してから活躍する選手が多い。大下はオリックスで一軍定着とはならなかったが、現役ドラフトでの移籍をきっかけに一軍定着、その先のレギュラーを掴みたいところだ。
取材・文=岩下雄太