ニュース 2023.01.08. 09:30

ロッテでは過去に2人 シーズン50盗塁の壁

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盗塁王に輝いたロッテ・髙部瑛斗(C) Kyodo News

難しい2年連続盗塁王


 ロッテの髙部瑛斗は昨季44盗塁をマークし、球団では21年の荻野貴司、和田康士朗に続き2年連続で盗塁王に輝いた。そのスピードを考えれば、個人としての2年連続盗塁王、シーズン50盗塁も夢ではない。

 まず球団で2年連続盗塁王となった選手を振り返ると、過去に2人いる。1人は西村徳文氏だ。西村氏は86年に36盗塁を記録し盗塁王となると、翌87年は前年から5盗塁増やして41盗塁で盗塁王。さらに88年が55盗塁、89年が42盗塁で86年から4年連続で盗塁王となった。

 2人目は西岡氏。チームがリーグ優勝、日本一にとなった05年、当時高卒3年目・21歳という若さで41盗塁を決め盗塁王を初受賞すると、翌06年は33盗塁で2年連続で盗塁王のタイトルを手にした。

 なお、90年代後半から00年代前半にかけて今季から西武で指揮を執る松井稼頭央氏と毎年のように盗塁王を争っていた小坂誠氏は、98年と00年は盗塁王になっているが、99年は盗塁王を逃しおり、連続してタイトルを獲得することはできなかった。

 21年に盗塁王となった荻野は故障の影響で開幕に出遅れた影響により22年は15盗塁にとどまり、代走をメインにして盗塁王となった和田はレギュラーを獲得できれば2年連続盗塁王の可能性もあったが、レギュラー獲得ならず。マークも厳しくなり、一軍定着後ワーストの11盗塁に終わった。2年連続でタイトルを獲るのは難しいことがわかる。

▼ 球団で2年連続盗塁王に輝いた選手
西村徳文
86年:36盗塁
87年:41盗塁
88年:55盗塁
89年:42盗塁

西岡剛
05年:41盗塁
06年:33盗塁

シーズン50盗塁の難しさ


 球団でシーズン50盗塁したことのある選手を見ると、過去に2人いる。その一人が小坂氏だ。新人だった97年、6月に80年9月に記録した弘田澄男氏が持つ球団記録に並ぶ月間12盗塁をマークするなど、惜しくも盗塁王とはならなかったが、プロ野球新人記録、そして球団の歴代シーズントップとなる56盗塁。25年経った現在も破られていない新人記録であり、球団記録だ。

 西村氏は3年連続盗塁王となった88年に55盗塁を記録。ちなみに球団で50盗塁以上走って盗塁王に輝いたのは西村氏だけ。髙部には西村氏以来となる50盗塁以上走って、盗塁王への期待がかかる。

 髙部は昨季オールスター前まで4、5球目に盗塁することが多かったが、オールスター明けは「後ろのバッターも待ってくれていることも多いので、少しでも早く走ることによって後ろのバッターの負担を減らしたい気持ちもあって、そういうのを意識してやっています」と、15盗塁中13盗塁は3球目以内に決めるなど、早いカウントでの盗塁数を増やした。

 盗塁の時は根拠を持って、荻野と同じように投手全体をボワンと見てスタートを切る。今季は50盗塁以上走って、2年連続でタイトルを手にして欲しいところだ。

▼ 球団でシーズン50盗塁以上
56盗塁 小坂 誠(1997年)
55盗塁 西村徳文(1988年)

文=岩下雄太

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