外国人の打撃タイトル獲得者はセパとも過去3年ゼロ
コロナウイルスが蔓延し早3年になる。この間、外国人選手は入国規制などを強いられ、十分な調整期間を設けられずシーズンインする選手も少なくなかった。これらが影響してか、特に助っ人野手は軒並み苦戦。2020年から2022年までの直近3シーズン、両リーグとも打撃部門の主要タイトルを獲得した外国人野手は一人も現れなかった。ここでは“来日2年目の助っ人野手”にスポットを当て、今年活躍する可能性を探ってみたい。
セ・リーグの打撃タイトル争いに食い込んできそうなのが巨人のアダム・ウォーカー外野手(31)だ。推定年俸3400万円で来日した昨季は、124試合に出場し打率.271、23本塁打、52打点、OPS.821をマーク。課題だった守備力も徐々にレベルアップし、2年目の大爆発に期待が膨らむ。シーズン終了後は、支配下の外国人選手では異例と言える秋季キャンプにも参加。まだまだ成長過程であり、愛されるキャラクターも魅力だ。
広島のライアン・マクブルーム内野手(30)も2年目の飛躍に期待がかかる。昨季は主に4番を任され、前半戦は一時3割近い高打率をキープ。しかし、研究された後半戦は数字を伸ばせず、1年目は128試合の出場で打率.272、17本塁打、74打点、OPS.794の成績だった。残留が決まり「再び最高のファンの前でプレーできることを楽しみにしています」とコメント。かつて6年半在籍し、来日3年目の2014年に本塁打王を獲得したブラッド・エルドレッドのように、2年目以降の大爆発に期待するファンは多い。
両打ちの日ハム・アルカンタラ、ロッテ入りポランコにも期待大
パ・リーグでは日本ハムのアリスメンディ・アルカンタラ内野手(31)に注目したい。昨季は「トライアウトのシーズン」と公言した新庄剛志監督の方針もあり97試合の出場にとどまったが、パンチ力のあるスイッチヒッターとして6月までに10本塁打をマーク。その後は苦しみ1年目は打率.209、14本塁打、28打点、OPS.658の成績に終わったものの、広い札幌ドームで左右両打席アーチを叩き込むパンチ力は魅力。新庄監督は今季、メンバーをなるべく固定し優勝すると公言しており、アルカンタラがレギュラーに固定されればシーズン30発越えも期待できそうだ。
ソフトバンクのフレディ・ガルビス内野手(33)は、今年こそやってもらわなければ困る存在。昨年、2年総額8億円と言われる高条件で来日。しかし、日本球界にアジャストできず、1年目は38試合の出場で打率.171、2本塁打、11打点、OPS.528と期待を裏切った。楽天のクリス・ギッテンス内野手(28)も真価を問われるシーズンとなる。来日1年目の昨季は、初出場の試合でスイングした際に左手首を骨折。この大ケガが響き、21試合の出場で打率.242、0本塁打、8打点、OPS.639の成績に終わった。それでも、二軍戦では15試合で打率.351、4本塁打、8打点OPS 1.230と格の違いを見せており、一軍でも出塁率は.365と高め。2年目の大爆発に期待がかかる。
巨人を1年で自由契約となり、来日2年目をロッテで迎えるグレゴリー・ポランコ外野手(31)も楽しみだ。巨人でプレーした昨季は、12球団の全助っ人で最多の24本塁打をマーク。守備面での不安があり、その他の指標は138試合の出場で打率.240、58打点、OPS.762と平凡だったが、指名打者枠のあるパ・リーグで挑むNPB2年目のシーズンは、守備での負担が軽減され成績向上が望めるかもしれない。
近年はわずか1年で退団する外国人選手が多く、オリックス、西武、阪神などは、複数年在籍した選手も含め助っ人野手を総入れ替えした。前提条件の違いはあれど、契約延長は期待の表れ。2年目の選手に限らず、2023年シーズンは打撃タイトルを獲得する助っ人野手の出現に期待したい。