両リーグの最多奪三振投手は代表入り
3月に行われる第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表30名のうち、12名が1月6日に先行発表された。
大谷翔平選手(エンゼルス)やダルビッシュ有投手(パドレス)といった第一線で戦うメジャーリーガーに加え、村上宗隆選手(ヤクルト)や佐々木朗希投手(ロッテ)ら、国内の有力選手たちも順当に名を連ねた。
投手陣では、三振を奪う力のある投手が多く、2022年シーズン最多奪三振のタイトルを獲得した戸郷翔征投手(巨人)と山本由伸投手(オリックス)も選出されている。
昨季、戸郷は154奪三振、山本は両リーグ唯一の200超えとなる204奪三振を記録。戸郷はストレートと鋭いフォークボールを武器とし三振を積み上げた。一方の山本はストレートはもちろんのこと、フォークボールやカットボール、カーブといった持ち玉すべてが一級品で、どの変化球も決め球に使うことができるのが大きな強みである。
WBCに参加することが正式に決まったことで例年よりも早い調整を強いられることになるが、両投手とも万全であれば今季もタイトル争いに加わってくるだろう。
しかし、ライバルは多い。昨季の成績を振り返ると、奪三振の数では及ばなかったものの、対戦打者に対する三振の割合を表す『K%(100イニング以上)』で2人を上回っていた投手が複数いたのだ。
佐々木朗希は12球団唯一の30%超え
タイトルホルダー2人のK%を見ると、戸郷が21.9%(154奪三振/702打席)で、山本は27.4%(205奪三振/705打席)を記録した。
セ・リーグ全体のK%は19.0%で、パ・リーグは20.1%。両投手はリーグ平均以上のK%を誇っていたことがわかる。
だが、100イニング以上を投げた投手まで条件を広げて昨季の『K%』を振り返ってみると、セ・リーグでは髙橋宏斗投手(中日/29.0%)、高橋奎二投手(ヤクルト/27.2%)、小笠原慎之介投手(中日/24.0%)、今永昇太投手(DeNA/23.6%)の4人が戸郷を上回るK%を記録。
パ・リーグでは、佐々木朗(ロッテ/35.3%)と千賀滉大投手(ソフトバンク⇒メッツ/27.5%)が山本を上回っていた。
特に佐々木朗は12球団唯一となる30%超えを記録。NPB新記録となる13者連続奪三振を達成するなど、球界でも頭抜けた奪三振能力を持っており、今季はタイトル争いに絡む可能性を秘めている。
ただ、どれだけ能力が高くても、シーズンを通して先発ローテーションを守ることができなければ、奪三振のタイトルレースでは遅れをとることになる。
戸郷と山本の『K%』を上回った投手たちは、戦線離脱することなくどれだけ多くのイニングを投げることができるか。それがチームの順位、そして自身のタイトル獲得にもつながってくるだろう。
▼ 2022年『K%』トップ10(100投球回以上)
35.3% 佐々木朗希(ロッテ)※
29.0% 髙橋宏斗(中日)※
27.5% 千賀滉大(ソフトバンク⇒メッツ)
27.4% 山本由伸(オリックス)
27.2% 高橋奎二(ヤクルト)※
24.0% 小笠原慎之介(中日)
23.6% 今永昇太(DeNA)
21.9% 戸郷翔征(巨人)
21.3% 岸孝之(楽天)※
21.0% 大貫晋一(DeNA)※
※規定投球回未到達
★2022年『最多奪三振』