立ち投げで21球
ロッテのドラフト4位・高野脩汰(日本通運)は12日、ブルペンで21球の立ち投げを行った。
この日は9時から新人合同自主トレが始まり、キャッチボールでは3日連続でドラフト1位・菊地吏玖(専修大)と行い、キャッチボール後にはブルペンでの立ち投げに向けてブルペン捕手を相手に遠投。
グラウンド横のブルペンに移動し、捕手を務めるブルペン捕手に「お願いします!」と挨拶すると、10時過ぎに立ち投げが始まった。
高野は新人合同自主トレの視察に訪れた榎康弘アマスカウトグループディレクター、大隣憲司二軍投手コーチら球団スタッフが見守る中、吉井理人監督の背番号と同じ“21球”の投げ込み。
立ち投げでは右打者のインコース、アウトコース付近に投げ込んでいる印象を受けた。高野は「内外に2分割で投げ分けることは、わりと意識していますが、今日の立ち投げは相手の胸に強い球を投げるというか、構えたところに投げることを意識してやった。それがいいようにバラついたのかなという感じです」と振り返る。
途中、「カットしていますか?」とブルペン捕手に確認も。本人の中でカットしている球を嫌がっているのか、カットしている球が良いのか気になったので訊いてみると、「カット自体には悪いとは思っていないんですけど…」と自身の考えを述べた上で、「質の悪い、力が伝わっていないカットに見えたので、それで球質が悪いのかどうかを聞いた感じですね」と教えてくれた。
21球の立ち投げが終わった後は、「ありがとうございました」と伝え、再びグラウンドへと戻った。
「言われたところで投げるだけ」
昨年12月に行われた新入団選手発表会では40試合以上の登板を目標に掲げた。「スカウトの方からも補強ポイントとしてリリーフと言われていますが、自分はどちらがやりたいということもないです。自分のアピールポイントを活かしてチームのどこにハマるかを上が決めるだけなので、言われたところで投げるだけだと思っています」。首脳陣からお願いされたポジションで全力で腕を振る覚悟だ。
ロッテのサウスポー事情で言えば、昨季までの実績で一軍の戦力として計算できるのは、2年連続規定投球回に到達した小島和哉、巨人時代の19年に8勝をマークし今季からロッテでプレーするメルセデスのみ。同学年の鈴木昭汰、佐藤奨真をはじめ、1学年上には本前郁也、2学年上(小島も)には中村稔弥といった近い年代のサウスポーたちと一軍の枠を争うことになる。
「(同世代の左腕が多いことは)あんまり意識はしていなくて、各々特徴がありますし、自分の良さも他とは被らないところがあると思う。起用されたら全力を出すだけで周りは気にしていないです」。
ロッテの左投手は長年手薄。リリーフはここ数年、左投手が一軍に誰もいないというケースもあった。2月1日から始まる春季キャンプでアピールし、即戦力ルーキーとしての期待に応えたい。
▼ 高野脩汰
背番号:34
生年月日:1998年8月13日生
守備位置:投手
身長 / 体重:183センチ / 87キロ
投 / 打:左 / 左
経歴:出雲商高-関西大-日本通運-ロッテ(ドラフト4位)
卯年の決意:開幕一軍
「友杉選手と一緒で開幕一軍です。即戦力左腕として開幕の一発目の試合からしっかり、千葉ロッテマリーンズの戦力となれるよう頑張っていきます」
取材・文=岩下雄太