球団史上初のリーグ3連覇がかかる新シーズン
ヤクルトは20日、2月1日から始まる春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。新人ではドラフト1位の吉村貢司郎投手(東芝)と5位の北村恵吾内野手(中央大)が一軍メンバー入り。新守護神候補の新外国人キオーニ・ケラ投手ら、新助っ人3投手も一軍スタートとなった。球団史上初のリーグ3連覇がかかる2023年シーズン。土台作りとなる春季キャンプの見どころを探る。
●新守護神選定は3連覇への最重要タスク
2年連続で30セーブ超えを達成し、リーグ連覇に貢献したスコット・マクガフがメジャーリーグのダイヤモンドバックスへ移籍。4年連続50試合登板を果たしたタフネス右腕の穴は大きい。新たな抑え候補としてケラ(前ドジャース3A)を獲得。ただ、マクガフやかつての守護神トニー・バーネットは来日1年目に苦しんで時期があり、ケラがNPBに即アジャストできるかは未知数だ。昨シーズン防御率1.16を記録したセットアッパー・清水昇が新守護神への意欲を示しており、実績十分な石山泰稚も候補のひとり。まずはキャンプでケラのピッチングを注視したい。
●先発陣の底上げも急務、期待される新旧ドラ1&新助っ人
昨季の先発防御率はリーグワーストの3.84。規定投球回到達者は小川泰弘のみで、2ケタ勝利投手は2年連続でゼロに終わった。新守護神の確立とともに、先発陣の底上げも急務。昨秋のドラフト1位で加わった即戦力右腕の吉村、2年目を迎える2021年のドラ1左腕・山下輝には大きな期待がかかる。ともに先発候補として獲得したディロン・ピーターズとレイネル・エスピナルの仕上がり具合にも注目。上半身のコンディション不良で昨季はわずか1登板に終わった奥川恭伸は二軍スタートとなった。
●WBC組が一時離脱、若手にとってはアピールのチャンス
昨季は一塁のホセ・オスナ、二塁・山田哲人、三塁・村上宗隆、遊撃・長岡秀樹の内野陣が揃って130試合以上に出場。外野も中堅の塩見泰隆が2年連続で安定した成績を残し、センターラインを中心にある程度レギュラーを固定できたことがリーグ連覇の要因となった。ただ、山田、村上、正捕手の中村悠平らは3月に開催されるWBCの日本代表に内定。一時チームを離れ、調整が難しいシーズンとなる。昨季は右翼手のドミンゴ・サンタナが故障で長期離脱したものの、その穴を山崎晃大朗が見事にカバー。つなぎの2番打者としても機能した。流動的な左翼争いも含め、野手陣のレベルアップも必須。ドラフト5位で加わった北村と元中日の三ツ俣大樹、新戦力にも注目だ。
ヤクルト春季キャンプのメンバー振り分けは以下の通り。
【一軍:沖縄県浦添市】
<投手>
キオーニ・ケラ、石山泰稚、高梨裕稔、山下輝、清水昇、石川雅規、木澤尚文、吉村貢司郎、小川泰弘、田口麗斗、市川悠太、大西広樹、小澤怜史、高橋奎二、金久保優斗、尾仲祐哉、長谷川宙輝、サイスニード、久保拓眞、竹山日向、ディロン・ピーターズ、レイネル・エスピナル
<捕手>
中村悠平、松本直樹、内山壮真、古賀優大
<内野手>
奥村展征、山田哲人、元山飛優、長岡秀樹、ホセ・オスナ、宮本丈、北村恵吾、村上宗隆、武岡龍世、三ツ俣大樹、赤羽由紘
<外野手>
並木秀尊、丸山和郁、塩見泰隆、青木宣親、ドミンゴ・サンタナ
【二軍:宮崎県西都市】
<投手>
原樹理、奥川恭伸、星知弥、吉田大喜、杉山晃基、梅野雄吾、柴田大地、山本大貴、成田翔、坂本拓己、大下佑馬、嘉手苅浩太、今野龍太、近藤弘樹、山野太一、鈴木裕太、沼田翔平、丸山翔大、下慎之介
<捕手>
西田明央、松井聖、橋本星哉
<内野手>
西浦直亨、川端慎吾、荒木貴裕、西村瑠伊斗、太田賢吾、小森航大郎、松本友
<外野手>
山崎晃大朗、澤井廉、濱田太貴、岩田幸宏