ワールドシリーズを制し、プホルスと抱き合うローレン(2006年)

◆ 初年度は10.2%だった得票率は76.3%へ

 米国野球殿堂は24日(日本時間25日)、2023年度の米国野球殿堂入り選手を発表。

 1990年代~2000年代にかけて活躍した資格6年目のスコット・ローレン氏が、選出に必要な得票75%を5票上回る76.3%で選出された。

 ローレン氏は1993年のドラフトでフィリーズに2巡目で指名されると、96年にメジャーデビュー。同年8月には当時ドジャースのエースを務めていた野茂英雄氏からキャリア初本塁打を放った。

 翌97年は開幕からメジャーに定着すると、満票で新人王を獲得。以降は打って守れる三塁手としてオールスターとゴールドグラブ賞の常連となり、通算2077安打・316本塁打をマークした。

 ローレン氏に転機が訪れたのは、メジャー7年目の02年シーズン途中だった。

 当時チーム再建途中だったフィリーズから常勝軍団のカージナルスへと電撃移籍。7年目にして初めてポストシーズン出場を果たすと、04年と06年にはチームをワールドシリーズへと導き、06年に自身唯一のチャンピオンリングを手にしている。

 その後はブルージェイズ、レッズへと渡り歩き、12年シーズン終了後に37歳の若さで現役を引退。殿堂入り資格初年度の得票は10.2%という低さだったが、有力なライバルが不在だった今回、見事に殿堂入りを果たした。

◆ “どの帽子”をかぶるのか

 今後注目されるのは、7月に行われる殿堂入り式典でどのチームのロゴが入った帽子をかぶるかだ。

 メジャーリーガーとして最も長い期間を過ごしたのはフィリーズの6年半(844試合)、次いでカージナルスの5年半(661試合)。現実的にはこの2チームのどちらかのロゴを選ぶことになるだろう。

 ドラフト2巡目で指名し、メジャーリーガーへと育ててくれたフィリーズを選ぶのか、それとも選手としての全盛期を過ごしたカージナルスを選ぶのか。

 数年前には、伝説の剛腕投手ランディ・ジョンソン氏が最も長く過ごしたマリナーズではなく、ダイヤモンドバックスのロゴを選び、「シアトルの人たちに理解してもらいたい」というコメントを残したことが話題になった。

 また、特定の球団のロゴを選ばなかったグレグ・マダックス氏やマイク・ムシーナ氏の例もある。

 ローレン氏が選ぶのはフィリーズか、それともカージナルスか、はたまたロゴなしか……。

 殿堂入り式典が行われる夏までにどのような決断を下すのか、注目が集まる。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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