平良が先発転向、安定していた投手陣もテコ入れ
西武は1月27日、2月6日から始まる春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。新人ではドラフト1位の蛭間拓哉外野手(早稲田大)、4位の青山美夏人投手(亜細亜大)、6位の児玉亮涼内野手(大阪ガス)の3選手が主力メインのA班スタート。2位の古川雄大外野手(佐伯鶴城高)ら高卒3選手はB班スタートとなった。昨シーズン限りで6シーズン指揮した辻発彦監督が退任。松井稼頭央新監督の下、新たなスタートを切る西武キャンプの見どころを探った。
●正捕手・森が退団、柘植&古賀の切磋琢磨に期待
打てる捕手として2018年からのリーグ連覇に貢献した森友哉がオリックスへFA移籍。新たな正捕手育成は明確な強化ポイントだ。後継者候補の筆頭は、4年目の25歳・柘植世那と2年目の23歳・古賀悠斗。昨季は森がケガで離脱したこともあり柘植が42試合、古賀も26試合に一軍出場し、それぞれ存在感を示した。昨年7月に左ひざの手術を受けたベテランの岡田雅利は二軍スタート。捕手陣が一丸となり森の穴を埋める。
●「外野3枠は白紙」…ペイトンや陽川、若手の成長にも期待
昨季のチーム打率は12球団ワーストの.229。特に外野陣の打撃スタッツは軒並み低調だった。FAの目玉だった近藤健介の獲得には至らなかったが、ドラフト1位で左の長距離砲・蛭間を指名。新外国人ではパンチ力と脚力を兼ね備えるマーク・ペイトンを獲得した。さらに現役ドラフトで陽川尚将が加入。内野手登録だが阪神時代は外野での出場機会も多く、指名打者での起用も見込める。既存戦力では、昨季自己最多の121試合に出場した愛斗にもう一皮むけてほしいところ。昨季イースタン・リーグ本塁打王に輝いた高木渉には大化けの予感が漂う。若林楽人や鈴木将平らの飛躍にも期待。指揮官は「外野のレギュラー3枠は白紙」と明言しており、ハイレベルな競争を求めた。
●平良の転向で先発争い激化、一方で勝ちパターン再構築は急務
昨季は攻撃陣が低迷した一方で、投手陣はリーグ1位のチーム防御率2.75を記録。そんな中、水上由伸とともに2022年の最優秀中継ぎ投手に輝いた平良海馬が先発転向を熱望し、今季はスターターとして勝負することが決まった。これにより、先発ローテ争いは一層激しくなると予想される。同時に勝ちパターンの再構築は急務。昨季ともに防御率1点台をマークした本田圭佑や森脇亮介、さらに昨季メジャー17試合登板で防御率2.18を記録した新助っ人右腕ヘスス・ティノコには大きな期待がかかる。また、2月11日からの4日間、かつてのエース・松坂大輔氏が臨時投手コーチとして南郷入りする。渡辺久信GMは「いろんな経験を伝えてほしい」とレジェンド効果に期待を寄せた。
西武キャンプのメンバー振り分けは以下の通り。
【A班:宮崎・南郷】
<投手>
渡邉勇太朗、高橋光成、宮川哲、隅田知一郎、松本航、佐藤隼輔、浜屋将太、平井克典、森脇亮介、青山美夏人、ボー・タカハシ、與座海人、本田圭佑、張奕、今井達也、ヘスス・ティノコ、大曲錬、平良海馬、水上由伸、ディートリック・エンス
<捕手>
古賀悠斗、柘植世那、中熊大智
<内野手>
児玉亮涼、山川穂高、山野辺翔、外崎修汰、源田壮亮、デビッド・マキノン、山村崇嘉、呉念庭、陽川尚将、川野涼多
<外野手>
蛭間拓哉、マーク・ペイトン、若林楽人、鈴木将平、西川愛也、高木渉
【B班:高知・春野】
<投手>
増田達至、公文克彦、佐々木健、山田陽翔、田村伊知郎、井上広輝、羽田慎之介、黒田将矢、赤上優人、齊藤大将、粟津凱士、伊藤翔、上間永遠、ジャシエル・ヘレラ、出井敏博、三浦大輝、豆田泰志、菅井信也
<捕手>
岡田雅利、野田海人、齊藤誠人、牧野翔矢、是澤涼輔、古市尊
<内野手>
平沼翔太、タイシンガー・ブランドン大河、中山誠吾、佐藤龍世、中村剛也、滝澤夏央、長谷川信哉、野村和輝
<外野手>
栗山巧、金子侑司、古川雄大、愛斗、仲三河優太、岸潤一郎、川越誠司、ロマー・コドラド、日隈モンテル、宮本ジョセフ拳