“今ここにない未来を創り出す”
メジャーリーグベースボールと同選手会が共同で設立したワールド・ベースボール・クラシック・インクが主催する世界一の野球国を決める大会『2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™』。野球ファンの多い日本はもちろんのこと、アメリカや数多くのメジャーリーガーを輩出している中南米、経済発展著しいアジアなど、世界中が注目する大会となっている。
コロナ感染拡大により延期となった第5回WBCは、栗山英樹監督のもと3大会ぶりの王者奪還に向けて大会に臨む“新生侍ジャパン”に期待が集まるのはもちろん、過去大会にて各国が繰り広げた熱戦の積み重ねにより、国内に留まらず世界中の野球ファンから熱い視線が注がれる2023年最注目のスポーツコンテンツと言っても過言ではない。
自動車オンライン買取サービス「カーネクスト」で知られるラグザス株式会社は、この大会の東京プール(3月9日~13日)の特別協賛社となったことを発表。大会名称には『カーネクスト2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™東京プール』として大会を盛り上げていくことが決まった。
同社は2008年の創業以来“今ここにない未来を創り出す”をミッションに掲げ、“世界に笑顔の人を増やすことができたのならば、成長を続けることができる”を最優先に事業を展開してきた。
今回は、世界一を目指して挑戦を続ける野球日本代表・侍ジャパンをはじめとした世界トップレベルの選手たちの想いに対し、業種・業界は違えども同じスピリットでチャレンジしていきたいという強い思いから、世界中で注目される大会を通じて多くの人に笑顔を届けたいということで特別協賛が実現したという。
そんな強い想いをもってWBCの成功を後押しするラグザス株式会社の福重生次郎代表取締役社長に、改めて野球、WBCへの想い、今回の協賛の狙いを伺った。
プラスチックバットを手にプロ野球への憧れを胸に走り回った少年時代
―― 福重代表とスポーツの関わりはどのようなものでしょうか?
もともと少年時代は野球が大好きでした。小学生の時にJリーグができてサッカーが大きな盛り上がりを見せていましたが、それでも私は野球派で。カラーボールにプラスチックバットを手に校庭で走り回っていました。甲子園に出たい! プロ野球選手になりたい! という目標というより、子どもの頃の憧れ、"将来の夢"みたいなものです。野球を本格的にやっていたというよりも、ただただ“野球大好き少年”でしたね(笑)。
当時は地上波のゴールデンタイムでプロ野球中継もやっていたので野球やスポーツを通じて夢を見ることができましたし、プロ野球選手に憧れの気持ちが芽生えやすい時期でしたね。
―― 次に会社や事業についてお伺いしたいのですが、「今、ここにない未来を創り出す」を会社のミッションとした福重さんの想いについて聞かせてください。
当社はインターネットサービス、ツールを使って、従来にはないサービスを新しく作り、お客様にご提供しています。これだけインターネットが普及している時代でも、思うように解決できない課題があります。今回『カーネクスト2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™東京プール』と『侍ジャパンシリーズ2023』に対して賛同させていただいている『カーネクスト』というサービスは、自動車買取事業です。
この領域はまだまだIT化されていないところも多く、ホワイトボードとノートだけで様々な管理しているという企業、現場もまだまだ多い業界です。そういったところのDX化、IT化を進めていきたいという想いでスタートしたのが『カーネクスト』です。
『カーネクスト』は、自動車のオンライン買取りサービスで、具体的には、ネット上で集客を行い、そこから自社のオークションプラットフォームを通じて、専門業者の皆様に車が流通していきます。当社から車を買う業者さんは、スケジュール管理やその他諸々、これまではホワイトボードで管理していたものを、基本的にはこのシステム内で管理することができるようになります。
このようなサービスを提供することによって、少しずつIT化し、その環境に徐々に慣れていけば、業界全体の人手不足解消や、人為的なミスを防ぐことも可能となります。ミスが少なくなれば、ひいてはユーザー様・お客様により良いものを提供できるということにつながっていくと思うのです。
―― 会社のミッションを浸透させることにも色々と工夫をされているとは思うのですが、社員の皆さんにはどういった声かけを?
はい。現在は社員総会などの機会を活用して、直接話をする機会を設けています。『今、ここにない未来を創り出す』というミッションや、『CREATE THE FUTURE』という考え方は、執務室の壁に大きく書いてあります。格好よく『CREATE THE FUTURE』ってあると、なんだか良いじゃないですか(笑)気持ちが上がるみたいなところがある。大人でも子供でもそうだと思うのですが、「なんかいいな!」「お洒落だな!」「格好いいな!」という感覚は、年齢や性別によって感じ方の違いは多少あるかと思いますが、見せ方や訴求の仕方は重要なことだと考えています。
“夢”とか“未来に向けて”というワードや想いを常時、頭の中にイメージしていて欲しいなという気持ちがあります。社員の間でも1年、2年と経ってくると、少しずつビジョンやミッションが浸透していき、じんわりと色がついてくる。何かに挑戦するとか、頑張ろう!とか、ベクトルが合ってくるというのはあると思いますね。
WBCへのスポンサードを決めた2つの理由
―― なるほど。福重代表のスポーツへの想いや、会社のミッションは分かりました。それらも踏まえて今回、WBC東京プールへのスポンサードを決めた理由を教えてください。
理由は2つあります。1つは野球が世界一を目指すことができるスポーツであるということです。少年時代の話で“夢”と言いましたが、昨今の情勢を鑑み、私個人として「今の日本には世界一が必要だ」、「今の若者には夢が必要だ」という想いがあります。今大会の侍ジャパンはドリームチームとまで言われていますが、世界の頂点を目指すことが可能なスポーツは、そんなに多くないと思うのです。何か、こう気持ちを芽生えさせるというか、「お、いいな!俺も頑張ろう!」と漠然とでも気持ちを高揚させるものがWBC、侍ジャパンにはあるのではないかと考えています。
私も社員のみんなも野球選手じゃないですし、試合に出てホームランを打つことは出来ませんので(笑)。WBCをもっと楽しんでもらうために、事前の盛り上げや、カッコいい!とか、感動した! とか、グッとくるようなコンテンツを、我々がスポンサーに入ることによって資金面、露出面で貢献し、沢山の方々に侍ジャパンとともに夢を見る機会を提供できるのではないかと。その一環として、“世界で一番の応援を届けようキャンペーン”と銘打って、WBC全体の盛り上がりに寄与するような活動も実施しています。
2つ目はWBCが世界的かつ国内においても注目されているスポーツイベントだと言うことです。カーネクストが11年前に生まれたサービスですが、このサービスをより多くの人に知ってもらい、使ってもらい、この業界に貢献できればと考えています。このサービスの認知が向上し、利用者が増えることで業界全体がDX化されれば社会に貢献できるのかなと。そういった意味ではサービスの"成長"にWBCが貢献してくれるだろうという期待も大きな理由の一つです。
―― では、WBCにおいて、侍ジャパンに注目するポイントなどお聞かせください。
はい。まずは子どものような話で恐縮ですが、特大のホームランが見たいですね(笑)。
もちろん“勝つ”ということも国際試合において、非常に重要なことだと考えています。しかし、例えばですが、特大ホームランを打った後にゆったりと1塁に向かって歩んでいく"確信歩き"だとか、海外の選手も、派手にバットを放り投げたりするシーンがありますよね。大人はもちろんですが、野球が好きな子どもたちに、あのかっこいい姿とか、子どもに夢を見させてあげられるようなホームランを是非見たいと思っています。
それから、超一流のプロ。第一線でやっている選手たちが見せるガムシャラなプレイ。激しくヘッドスライディングをする場面など、これは普通では、なかなか見ることができないものだと思いますので、そういった一生懸命な姿も楽しみですね。
夢を持って一生懸命に頑張ることの重要さ
―― 最後にWBC東京プールへの期待、侍ジャパンへの応援メッセージをお願いします。
3大会ぶりの世界一に向けて、史上最強のドリームチームで臨むと栗山英樹監督もお話をされていました。世界一に向けて、世界一を獲ることをとても楽しみにしています。現地のスタジアムはもちろんですが、映像でも世界レベルでのプレイを見る人たちに、夢や感動を与えられるような一生懸命なプレイをみたいなと、心の底から思います。どの国の選手にも怪我なく頑張って欲しいなと思っています。
―― 福重代表がカラーバットを振り回していたころのように、このWBCを小さなお子さんも沢山見てくれると思います。小さな子どもたちに伝えたいことはありますか?
どんな夢でも構いません。夢を持って一生懸命に頑張るということはとても大事だと考えています。今回のWBCの試合を見て、選手たちからは夢あるプレイと、それに伴う結果が残ってくると思います。そういったものを見て様々なものを感じて欲しいなと。
夢を持って頑張ればこういう世界が待っているのだと。それが野球なのか、サッカーなのか、バスケットボールなのか分かりませんし、もしかするとビジネスの世界かもしれません。それは向き不向きがあるので、人それぞれだと思いますけど、どの分野でも夢を持って取り組むことの大切さを感じてほしいなと思います。
取材=ベースボールキング編集部