今季こそ!
「優勝できるように頑張ります」。
今季でチームキャプテン3年目を迎えるロッテ・中村奨吾は、チームが1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝を達成するため、石垣島春季キャンプで必死に汗を流している。
春季キャンプ前に吉井理人新監督は球団を通じて「チームプレーはしっかりと行いますが、実技の練習に関しては個別の時間を多めに設定して、自主的に取り組んでもらおうと考えています。選手は自分自身で足りない部分はなにか、伸ばさないといけないことはなにか、そのためにどのような練習が必要かを考えてもらい、練習に取り組んでもらいながら個々のレベルアップ、そしてチーム力を上げていきたいと考えています」と言葉通り、春季キャンプでは“個人練習”の時間が多く設けられている。
中村奨吾は全体練習終了後に、バッティングケージでみっちりと打ち込む姿を多く見る。9日も全体練習後に「下半身を意識したりしていますね」と、バッティングケージで黙々と打ち込み。打撃練習を終えると、今度は室内練習場に戻って守備練習。この日はテニスラケットでボールを打ってもらい、そのボールを捕球する練習を長い時間行っていた。
今マリーンズで最も替えのきかない存在となったチームリーダーが、妥協することなく練習する姿は見ていて非常に頼もしい。
新監督が就任。チームの雰囲気は?
チームという部分においては、昨季限りで井口資仁監督が退任し、今季から吉井理人監督が就任した。監督が代わってチームの雰囲気、ギラギラした若い選手が出てきたのだろうかーー。
率直にチームリーダーの目から見てチームの雰囲気がどのようにうつっているのか訊くと、「みんなしっかりアピールして、ポジションを取ろうと思う選手は多いと思います」と語った。
確かに中村が第2球場で練習し安田尚憲がメイン球場で練習している日は、積極的にウォーミングアップから声を出し先頭に立って練習を盛り上げれば、練習のはじまりと終わりに打撃練習を去年から自らに課している高卒5年目の山口航輝は全体練習が終わった後も、室内練習場で打撃練習する姿がある。平沢大河、藤原恭大、新人の友杉篤輝、中堅の年齢で言えば、藤岡裕大なども全体練習後に個別練習で打撃練習を行っている。とにかく選手たちは新監督となった今季一軍でレギュラー、居場所を掴むため必死だ。
チーム力向上のためには若手の底上げも重要になってくるが、中堅・ベテランが“若手の壁”になるような働きも必要。もちろん、中村も「自分も負けていられない。しっかり練習していきたい」と、チームの先頭として引っ張っていくため技術向上を図っている。
中村がチームキャプテンとなった1年目の2021年は優勝マジックを点灯しながらも、リーグ優勝を逃した。今季こそ1974年以来の勝率1位でのリーグ優勝を達成するため、中村は厳しい練習でさらなる成績向上、シーズンを戦い抜くため、1日も無駄にするとこなく過ごしている。
取材・文=岩下雄太