対外試合での打率.385
「バッティングで結果を出していきたい」
ロッテ・福田光輝に石垣島春季キャンプ中に行った取材で、熾烈な内野の競争を勝ち残るためについて質問すると、冒頭の言葉が返ってきた。
言葉通り、ここまで実戦5試合はバットで結果を出している。今季チーム初の対外試合となった2月11日の楽天モンキーズ戦に守備から途中出場すると、8回の第1打席、「いいスタートが切れるように自分のバッティングをしようと思って打席に入りました」とライト前に安打を放った。初打席で結果を残せたことに「とりあえずは良かったかなと思います」と振り返った。
『7番・一塁』でスタメン出場した翌12日の楽天モンキーズ戦は4打数0安打に終わったが、14日から始まった沖縄遠征の初戦の中日との練習試合、守備から途中出場すると7回の第1打席に適時二塁打を放った。走塁も素晴らしかった。二塁への強襲の当たりでボールがレフト方向に転々としている間に二塁を陥れた。“1つ先の塁を狙う”積極的な走塁でもアピールした。
『7番・一塁』で先発出場した16日のDeNA戦では、法政大の後輩・三浦銀二からライトへ打った瞬間に本塁打とわかる3ランを放つなど、3安打4打点の大暴れ。第1打席に放った二塁打、第2打席に放った適時二塁打はいずれも左投手。第2打席に放ったレフトへの適時二塁打は昨季8勝を挙げた濵口遥大と、調整の時期とはいえ、一軍で実績のある左投手から打ったことに意味がある。
「いい結果が出るように準備」
「今年1年いい結果が出るように準備してきました」と、今年のオフは結果を残すためのトレーニングを積んできた。
昨年はシーズン中、何度も打撃フォームを変更していたが、今季は打撃フォームを固定する意識があるのか訊くと、福田光は「固めていこうとは思っていないですけど、ある程度形にして対ピッチャーで結果を残せるようにやっていきたい」と教えてくれた。
内野の競争を勝ち抜くためにも、福田光が話しているように“バッティング”がカギとなる。打てれば、一軍での出場チャンスが広がってくる。福田光はこの練習試合では三塁と一塁で出場しているが、昨季はファームで内野の全ポジションを守った。
春季キャンプではショートでノックを受けている日もあり、ショートを含めた内野の全ポジションでプレーしていく考えを持っているのか聞いてみると、本人は「多分ショートはないと思うんですけど、言われたところでいい準備をしていいプレーができるようにやりたいと思います」と語った。
今季でプロ4年目。同じ大卒でプロ入りした髙部瑛斗が昨季レギュラーに定着し盗塁王に輝き、佐藤都志也も昨季リーグトップの盗塁阻止率を誇った。福田光も1年目のオープン戦で1試合に2本塁打を放てば、昨季も開幕直後に代打で勝負強さを見せるなど、髙部、佐藤に負けないくらいの素質はある。
「毎年大事ですけど、今年は大事なので自分の力をしっかり出せるように1年間頑張りたい」。勝負の1年。結果にこだわっていく。
▼ 福田光輝の対外試合打撃成績
5試 率.385(13-5)本1 点5
取材・文=岩下雄太