対外試合の打率.500
ロッテ・茶谷健太は、対外試合7試合に出場して打率.500(14-7)、4打点とバットでアピールを続けている。
対外試合初戦となった11日の楽天モンキーズとの国際交流試合では三塁の守備から途中出場し、9回の第2打席に「その前もいい感じで打てていたんですけど、捕られてしまったので、今度は返してやろうという気持ちで打席に立ちました」とライトへ適時打を放った。
14日から始まったNPBとの対外試合でも18日の楽天戦以外は全ての試合でスコアボードに“H”のランプを灯す。『8番・一塁』で先発出場した19日のヤクルトとの練習試合では、第1打席にレフト前に安打を放つと、7回の第4打席、9回の第5打席に2打席連続適時二塁打と、3安打2打点の活躍を見せた。
練習試合では三塁、一塁での出場が多く、遊撃での出場は16日のDeNA戦のみだが、遊撃のレギュラー争いでは一歩リードしている印象だ。
夏場に状態を落とすも終盤に調子を取り戻す
昨年は二軍で結果を残し、満を持して6月21日に昇格。プロ入り後初の猛打賞を達成するなど結果を残し始めた中で、7月27日に新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱。復帰後、10試合連続で安打なしという時期もあったが、「自分でわかっているところをコーチの方々に聞いて、いろいろ削っていって元に戻せるように思っています」と試行錯誤していた中で、調子を取り戻し、9月2日のオリックス戦以降、全25試合ショートでスタメン出場しシーズンを終えた。
「いい時はセンター方向にいっている。打てないとショートゴロ、サードゴロが多かった。とにかくセンター返しを意識しています」。
「やっていたこと、方向性は間違っていなかったのかなと思いました」。
自分の打撃の状態が悪かった時に良い形に戻すための調整方法を見つけ、結果に繋げたことは自信になった。これは今季に向けても、大きな財産になっているはずだ。
そしてシーズンオフは「バッティング、守備、走塁も全部レベルアップしないといけない。バッティングと守備がメインになってくる。課題じゃないですけど、そこを一つでも克服できるようにやりたいと思ってやっていました」と走攻守全て磨いた。
遊撃のライバルたちは走塁、守備は一軍レベルにあるが、打撃が物足りない選手が多い。その中で、茶谷は今季対外試合初戦となった楽天モンキーズ戦からバットで結果を残し、打ち取られた打席もきっちりと捉えた当たりばかりだ。長年課題にしているロッテの遊撃。競争は始まったばかり。茶谷がポジションをモノにすることができるのかーー。藤岡裕大をはじめライバルたちが意地を見せるのかーー。レベルの高い競争に期待したい。
取材・文=岩下雄太