勝負がかかる「タイブレーク」も任せたくなる存在
25日と26日に開催される日本代表壮行試合『カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023宮崎』対ソフトバンク2連戦の侍ジャパン登板予定投手が判明した。
現地で熱狂の渦の中心にいるダルビッシュ有(MLBパドレス)は規定により登板できないが、2日間でメジャーリーガーを除く全13人の投手が登板する予定。
第1戦の佐々木朗希投手(ロッテ)、第2戦の山本由伸投手(オリックス)といった両先発や、いわゆる“第2先発”候補の投手たちに視線が集まるなか、WBC本番のタイブレーク(無死二塁スタート)を想定した第1戦・延長10回に髙橋宏斗投手(中日)が登板することも決まった。
髙橋宏は今季高卒3年目を迎える伸び盛りの剛腕。一軍デビューした昨季に鮮烈なインパクトを残したこともあり、マウンド上での能力の高さは誰もが認めるところだが、今回の壮行試合はWBC本大会直前の貴重な実戦調整の場。リリーフが本職でないことを考えれば、チームの勝敗に直結する重要局面の練習マウンドに“抜擢”された格好だ。
栗山英樹監督は「もちろん3年目なので身体のことを気をつけないといけないのはわかっている。ただ、一番いろんなことを吸収できるし、一番みんなが気がつかない能力を発揮できる世代であることは間違いない」と髙橋宏について語り、今回のタイブレークの経験が無限の可能性を秘める若き右腕の糧になると説明した。
また、進塁打も許したくない難しい状況でマウンドに送り出すだけの球威や制球を兼ね備えていることにも言及しつつ、「マウンドに上がったときに『絶対にバッターをやっつけにいくんだ』という勝負だと思う。去年も見ていて、彼はその一番大事なものを持っていると信じたので」とコメント。指揮官の目にはスピードガンの表示よりも髙橋宏のハートが魅力的に映った。
「個人的にピッチャーとして欲しい物を持っていてくれるので、(起用の)幅が出るのかなと信じているだけなんだけど」
大ブレークの兆しを見せた2022年を経て、いざ日本代表の一員としてWBCへ。たとえ短いイニングでも、世界相手にインパクトを与える資質は持っている。