NPBの対外試合で安打
ロッテの植田将太は14日から始まった沖縄本島、高知、宮崎と、一軍の遠征メンバーに選ばれ、ここまで11日の楽天モンキーズとの国際交流試合から含めると一軍の対外試合に9試合に出場する。
昨年の同時期は遠征メンバーに選ばれておらず、2月の対外試合は一軍での出場は1試合もなかった。吉井理人監督が就任した今季、開幕一軍、レギュラー争いに加わろうと必死だ。今季チーム初の対外試合となった11日の楽天モンキーズ戦で、「そんなに違和感なくいい感覚で打てているのかなと思います」と、チーム唯一のマルチ安打。
14日から行われているNPBとの対外試合では、スコアボードに“H”ランプを灯すことができずにいたが、『8番・捕手』でスタメン出場した2月28日のソフトバンク戦で、0-1の3回に昨季西武戦でノーヒットノーランを達成するなど10勝を挙げた東浜巨のカットボールをレフト前に弾き返した。NPBの対外試合では育成選手時代の21年7月29日の阪神とのエキシビションマッチで、小林慶祐からレフト前に安打を放って以来となる安打となった。つまり、支配下選手となってからNPBの対外試合では初安打となる。
「今年1年は勝負」
植田は昨年11月に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習中、金澤岳バッテリーコーチと、時にマンツーマンで1時間以上守備練習を行う姿があった。
シーズンオフは「守備ではスローイングの球の強さを出すというところを意識してやってきました。打撃ではタイミングの間の取り方、軸足の感覚を大事にして取り組んできました」と攻守に徹底的に鍛えてきた。
今季は吉井監督となり、これまで一軍での出場機会のなかった若手選手にとっては絶好のチャンス。
「今年1年は勝負だと思っているので、これからのオープン戦からもどんどんアピールしてなんとかレギュラー目指してやっていこうかなと思います」。
ただ、捕手の競争は熾烈だ。昨季高卒1年目ながら一度もファームに落ちることなく一軍で1年間戦った松川虎生、盗塁阻止率リーグトップの.361を記録した佐藤都志也、長年ロッテの投手陣を引っ張ってきた田村龍弘、さらには速球派投手と相性の良い柿沼友哉などがいる。
レギュラー争い、一軍の枠を巡る競争に植田は「結果を出すだけだと思うので、結果だけにこだわってやっていきたいと思います」とキッパリ。沖縄遠征から捕手4人体制で戦っているが、昨季は一軍の捕手は3人体制を敷いており、シーズン開幕してからはおそらく2、3人体制になるのではないか。そうなると、より一層、攻守に結果が求められてくる。19年育成ドラフトで入団し、2年目の21年途中に支配下選手登録となったが、昨季まで一軍出場がない。まずは開幕一軍入りへ、しっかりと結果を残していきたい。
取材・文=岩下雄太