「勝ちに導く一打が打てると思っている」
野球日本代表「侍ジャパン」の村上宗隆(ヤクルト)が7日、オリックスとの強化試合に「6番・三塁」で先発出場。初回の第1打席で左中間スタンドに叩き込む待望の“第1号”3ランを放った。
「今シーズン初ホームランです。HRを打った後の走り方を忘れていました。ちょっとほっとしました」と正直な喜びを口にした昨季の三冠王。
栗山英樹監督も「シンプルに嬉しかった。三冠王を獲るバッターですから、始まったら必ず打ってくれると信じている。これが良いキッカケになるかなと」とお目覚めの一発を喜んだ。
その後は空三振・空三振・空三振・左飛と凡退が続いたが、その裏には若き主砲なりの“試行錯誤”があったと言う。
試合後の会見に登場した背番号55は、「日に日に、一歩ずつではありますが少しずつ感覚も良くなってきている。3月9日に向けて良い一本が出たというところで、準備はできたかなと思っています」と強化試合を終えての手応えを語った。
第1打席の本塁打については「来た球に対して思い切りフルスイングができた」と振り返り、その後の凡退にも「日々試行錯誤をしながら、今日も2打席目や3打席目はまた違う感覚で打ってみたり、いろいろなことをしながらやっていた」と明かす。
具体的には「体重のかけ方や、ボールの待ち方などですね」と言い、「いろいろなことを意識しながらやりました」とのこと。「本番はやるしかない。必ず打ちたいと思いますし、勝ちに導く一打が打てると僕自身は思っている。下を向かずに前向きに、必死に戦いたい」と初戦の中国戦を見据えた。
「とにかく勝つことだけを意識してやりたい」
この日はこれまでの4番ではなく、「6番・三塁」での出場となった。打順の変更に関しては、「正直、悔しい気持ちはもちろんある」と率直な思いを吐露。「このチームで4番を打ちたいという気持ちもある」とも言い切った。
それでも、「栗山監督がいろいろな打順を考えてくれていて、選手のことを思って打順を組み替えたりしながらやってくださっている。そこは監督に言われた打順で結果を出すということが一番」とし、「今日は6番でしたけど、結果を出すことができてホッとしている」と語った。
これまでなかなか当たりが出ていなかった点についても、焦りなどは「なかった」と言い切る。「僕たちは3月9日に向けてやってきた。打てる準備はできましたし、あとは気持ちと身体を整えてやるだけ」と続け、打順や起用法に関わらず、チームの勝利のために全力を尽くすと誓った。
「とにかく勝つことだけを意識してやりたい。必ず勝てるメンバーが揃っていますし、僕らが一人一人力を出し切れば必ず勝てると思う。誰かが打てなければ誰かがカバーして。投手が打たれたら野手が打って。それを繰り返していけたら」
令和の三冠王は緊張や重圧をはねのけ、その名を世界に知らしめることができるか。23歳の若き大砲の挑戦から、目が離せない。