カーブの軌道が変化
「全然バッターに投げていなかったので、ブルペンとかトラックマンの数値でしか測れていなかった。バッターと対戦できてちゃんとした課題も出てきたので、次に向けて取り組んでいます」。
開幕投手に指名されたロッテ・小島和哉が、3月31日のソフトバンクとの開幕戦に向けて調整を進めている。
今季初実戦となった3月2日のオリックス戦では、昨年の秋季練習から本格的に挑戦しているフォークを1球も投げなかったが、“ある”変化球が昨年に比べて軌道が変わった。それは、カーブだ。
昨年まではスライダーのような軌道のカーブだったが、2日のオリックス戦では0-0の初回に先頭の佐野皓大に1ストライクから投じた2球目の118キロ見逃しストライクとなったカーブは少し浮き上がってくるような軌道、0-1の2回二死一塁から来田に1ボール2ストライクから投じた4球目の121キロカーブは縦変化しているように見えた。
カーブの軌道について小島は「自主トレの時からカーブが良くて、それで今よくできています」と手応え十分。
「(カーブは)去年ほんの数%しか使っていなかったんですけど、今年はカウントが取れているので、今ちょっと練習しています」と、さらに精度を高めていく考えだ。
実戦では抑えることを意識
この時期の小島といえば、新シーズンに向けて、武器であるカットボールの投球割合を減らしたり、新球を試したりと意図を持って色々と試すことが多い。
2021年は「あんまり試合が始まる前に手の内を明かさないではないですけど、田村さんが今日はこれでいくからという話をよく言ってくれていたので、ただ投げるだけじゃなくて、なんでこの球を選んでいるのかなというのは考えるようにはしていました」(21年7月7日オンライン取材)という理由で、オープン戦ではオリックスの吉田正尚(現レッドソックス)にカーブを投げたり、チェンジアップ、カットボールを意図的に少なくする登板があった。
22年も「新しい自分を作り上げるために、試したいことを色々と考えてはいる。シーズンの試合で使えるか、使えないか判断していくオープン戦にしていきたいと思います」と、前年公式戦でほとんど投げなかったカーブを積極的に投げた。2月27日の西武戦では18人中9人に初球にカーブを投じるなど、70球中13球でカーブを投げていた。昨季は公式戦に入ってからもカウント球としてカーブを投げた。
今季はこの先のオープン戦で開幕に向けて、例年のように色々と試していく考えを持っているのだろうかーー。
小島は「あと3試合くらいしかないので、試すというよりかはしっかり実戦で抑えることを意識してやっていこうかなと思います」と、昨年までは2月の練習試合から登板していたが、今季は初実戦が3月2日。開幕までを逆算して、シーズンを意識した投球をしていくつもり。ただ次回の登板では前回のオリックス戦で1球も投げなかったフォークを「ちょっと投げようと思います」という意向を明かした。
昨季は3勝11敗と負け越したが、チームで唯一2年連続規定投球回に到達。そして、プロ5年目の今季、初の大役を任された。「気負うことはないですけど、緊張はしています」。小島も、チームも最高のスタートを切るため、開幕までしっかりと準備を進めていく。
取材・文=岩下雄太