移籍1年目の昨季は移籍直後に勝ち試合に登板も…
「チームとしてもリーグ優勝と日本一になりたいと思いますし、それに少しでも力になりたいと思います」。
昨年7月29日に山本大貴とのトレードでヤクルトから加入した坂本光士郎は、移籍2年目の今季、一軍の戦力として活躍を誓う。
昨季はトレードが発表された翌日の7月30日に一軍登録され、同日のオリックス戦でデビュー。4-6の8回に登板し1イニングを三者凡退に抑える好スタートを切った。8月2日の楽天戦では当時勝ちパターンを務めていた東條大樹が新型コロナウイルス陽性判定で一軍登録抹消中、ゲレーロもベンチ外だったこともあり、6-3の7回に登板し移籍後初ホールドをマークした。
この勢いで坂本も、前年(21年)の国吉佑樹、20年の澤村拓一のように途中加入から“勝ちパターン”に食い込んでいくかと思われたが、翌3日に新型コロナウイルス陽性判定を受け離脱。8月31日のヤクルトとの二軍戦で実戦復帰し、9月18日に再昇格を果たしたが、ホールドの付く場面での登板はなく、7試合・8回2/3を投げて、1ホールド、6奪三振、防御率4.15という成績で移籍1年目を終えた。
50試合登板を目標
移籍2年目に向けてこのオフは「体の動きだったりを一から考えてやってみようというので、連動だったりを意識してやってきました」と下半身と上半身の連動を意識したトレーニングを行ってきた。
2月の練習試合では6試合・8イニングを投げて、イニング数を上回る10奪三振。今季実戦初登板となった2月12日の楽天モンキーズ戦では1イニング全てのアウトを三振に仕留めた。オープン戦を含めても、8試合・10イニングを投げて11奪三振と、昨季に比べて奪三振の割合が増えている。
坂本は「あんまり三振というのは考えてやっていなかったので、とりあえず1試合1試合抑えることだけを考えて投げていました」と、三振が多いこと、三振に関しては特に意識していない様子。
ただ、「毎年中継ぎで50試合投げたいというのを掲げているので、今年はそれを達成できるようにしたい」と登板数へのこだわりは持っている。
50試合以上登板するために必要なことについて「体力が必要だと思うので、1年間戦える体力、回復するためにどうしなければいけないかというのを考えていかないといけないのでやっています」と語った。
マリーンズのブルペン事情でいえば、近年はサウスポーが手薄。「左なので左バッターを抑えるのが僕たちのいちばんの仕事だと思っている。左バッターを抑えることを意識していきたいです」。まずは開幕一軍を掴み、開幕してからも結果を残し続ければ、目標に掲げる50試合登板も見えてくる。
取材・文=岩下雄太