初回4失点も修正

　横浜開幕戦での登板が有力視される濱口遥大が阪神戦に先発した。初回は1番・近本光司に粘り負け、盗塁も絡められると2番・渡邉諒にも9球粘られ四球といきなりのピンチを迎え、新外国人ノイジーにタイムリーで先制を許す。続くピンチで4番・大山悠輔にも四球を与えると佐藤輝明にタイムリー、森下翔太の併殺を挟み、原口文仁にもタイムリーを浴び、初回に4失点と大乱調。しかし2回、一死から近本に再び四球を与えたが、続く渡邉諒を併殺打に切って取ると、3回からは9人で打ち取るパーフェクトピッチングを披露。まるでジキルとハイドのような極端な内容となった。

　三浦監督も「初回、際どいボールもありましたけど、ただボール球が多かったかなというところで。濱口ぐらいの力があれば、なんとか最小失点というところでね…」と立ち上がりの不安定さに苦言。「初回はどのピッチャーも入りからは難しいと思うんですけど、まぁ反省です」と釘を差した。

　濱口は「調子が良かったことでコースを狙いすぎた」とコメントしたことに「ブルペンでも凄い調子が良かったとコーチから聞いていたので、良かったからこそしっかりと狙いに行きすぎたのかなと思います。またそれは反省を生かして、ブルペンでいいときには攻め方を変えるとか、次につなげてくれればいいと思います」と今後の調整法にも言及。しかし「そのあと、2回からはしっかりと修正できたことは良かったかなと思います。まだ日にちもあるんで」と結果的には及第点を与えていた。

5連敗も「シーズンじゃない」

　後を継いだ期待の若手右腕・宮城滝太は1/3で5失点KOに終わり「全く良さを出せなかった。宮城のイメージじゃなかったですし、一軍の横浜スタジアムで（いいところを）出していかなくてはいけないところで。キャンプからやってきたストライク先行、ゾーンで勝負するができなかったですね」とピシャリ。石川達也にも「ボール先行していたと思います」と手厳しかった。

　これで5連敗となったが「シーズンじゃないので」とあまり気にしている様子はないながらも「メンバーも色々使いながらやっていますけど、いい選手悪い選手がはっきりしているんで。いいのか悪いのか、ここらへんは迷う材料が少なくなってきた」とし「心配していない」と言い切る佐野恵太や宮﨑敏郎などのレギュラーとの差を感じている様子も伺わせた。

「もうシーズン近づいてきてますから、そこは振り分けていかなくてなならないですし。そうそうチャンスも多くない。そのチャンスを若い選手がどう使うか」と若手の奮起にも言及した指揮官。残り少ない実戦の場で、新戦力の台頭に期待がかかる。


取材・文＝萩原孝弘