プロ3年目の今季こそ
「常に活躍している1年にしたいです」。
ロッテの鈴木昭汰はプロ3年目の今季、シーズン通しての活躍を誓う。
20年ドラフト1位で入団し、1年目の21年は開幕先発ローテーション入りを果たすも、好投しながらなかなか援護に恵まれず、23試合・79回1/3を投げて1勝4敗1ホールド、防御率4.08。2年目の昨季は先発3試合、リリーフ3試合、合計6試合・12回1/3を投げて1勝3敗、防御率7.30と悔しい1年に終わった。ここまでの2年間は力を発揮しきれていない。
「まっすぐの角度と強さを確率よく上げるためにというのを意識してやってきました」。シーズンオフの自主トレではストレートを磨いた。
プロ入りから2年間、鈴木の投球を見ていると、ストレートが良い時はかなり抑えている印象。昨季でいえば、唯一の白星となった9月12日の日本ハム戦がそうだった。初回8球オールストレートで“0”で切り抜けると、2回以降も力強いストレートを武器に、日本ハム打線を封じ、6回0/3・82球を投げ無失点に抑えた。
鈴木本人も「そうだと思います。ストレートがあっての変化球だと思います。しっかりやっていきたいと思います」と話す。
ストレートが良いからこそ変化球も活きる。「真っ直ぐ、スライダーが軸なので、そこから少しずつ真っ直ぐの良さを出せるための配球をしていけたらなと思います」。
オープン戦で存在感
2月の練習試合では18日の楽天戦が3回7失点、25日の西武戦は4回4失点と、精彩を欠いた投球だったが、オープン戦が始まってからは3試合・4イニングを投げ、2被安打、5奪三振、0与四球、0失点。3月に入ってから状態を上げてきている。
特に14日のヤクルト戦では、2-3の4回に岩下大輝の後を受けてマウンドに上がると、1イニング目は12球中11球がストレート。2-3の4回二死走者なしで武岡龍世を見逃し三振に仕留めたアウトコースのストレートは素晴らしかった。
2イニング目となった5回は青木宣親にレフト前に弾き返されたが、オスナをインコース高めのストレートでバットをへし折る三塁ゴロで打ち取り、力でねじ伏せる投球だった。
鈴木が話しているように、ストレートの角度、強さの確率を高めていければ、十分戦力になるだけの力を持っている。2月の練習試合では悔しい投球となったが、3月に入ってからは結果、投球内容ともに格段に良くなり、これを継続できれば開幕一軍も見えてくるはずだ。熾烈な競争を勝ち抜くためにも、結果にこだわっていきたい。
取材・文=岩下雄太