ニュース 2023.03.17. 06:29

バントも配球も“ローリスク・ハイリターン”の選択…侍・大谷翔平が一発勝負で見せた勝利への執念

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東京プールでは投打に輝きを放った侍ジャパン・大谷翔平
2023.03.16 19:00
日本 9 終了 3 イタリア
東京ドーム

2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™

○ 日本 9 - 3 イタリア ●
<準々決勝 東京ドーム>

 野球日本代表「侍ジャパン」の大谷翔平選手(MLBエンゼルス)が16日、『カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 準々決勝』イタリア戦に「3番・指名打者兼投手」として先発出場。投打リアル二刀流でチームを準決勝進出へと導いた。

 「ダルビッシュさんはじめ素晴らしい投手が控えていたので、行けるところまで行ければ」と立ち上がりから力を込めた投球で、3回までわずか1安打に抑える上々の立ち上がり。満員の観衆がじっと見つめる中、雄叫びを上げながらの投球が続いたが、「万が一が起きないようなボールをチョイスしながら投げていく感じだった」と、長打も警戒しながら慎重に試合を作った。

 打席では0-0で迎えた3回一死一塁の場面で、「無理に打ちに行ってゲッツーになるというのが一番最悪のシナリオ。リスクを回避しながら、ハイリターンが望める形」と、相手の守備シフトの逆をつくバントヒットでチャンスメーク。これが相手の送球エラーも誘って一・三塁となり、直後の先制点、一挙4得点のビッグイニングを呼び込んだ。

 打者としては4打数1安打、投手としては5回途中4安打2失点。レギュラーシーズンでの躍動ぶりからはインパクトに欠ける成績だったが、3回のバント安打について、栗山英樹監督は「ずっと彼を見てきて、翔平らしさが出るのはああいう時。投げるとか打つとかは別として、『この試合は絶対に勝つんだ』という野球小僧になりきったときに彼の素晴らしさが出る」とコメント。投手としての配球、打者としてのバントは、大谷の原動力である“勝利への執念”が垣間見えた瞬間でもあった。

 自身初のWBCでフル回転を続ける大谷は、「久々に短期決戦と言うか、そういう短いスパンでの試合。最近あまり経験していなかったので、独特の緊張感というのは自分の中で特別なものがあった」と、ここまでの戦いを振り返りつつ、「まだ2試合ありますし、引き続き気を引き締めて頑張りたい」とマイアミでの決勝ラウンドを見据えた。

 侍ジャパンの次戦は、日本時間21日(火)朝8時プレイボールの準決勝。メキシコ(プールC1位)とプエルトリコ(プールD2位)の勝者と、3大会ぶりの決勝進出をかけて対戦する。

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