「チームとしての目標は変わらないですけど、個人としては悔しい思いをしたので、それを取り返せるように今年はやりたいと思います」。
ロッテの益田直也は今季、チームの目標としてはリーグ優勝、個人としては“守護神”の返り咲きを狙う。
長年マリーンズのブルペンを支える鉄腕。昨季まで5年連続で50試合以上に登板し、プロ通算645登板、救援645登板、通算153ホールド、通算183ホールドポイントは球団歴代1位の記録を誇る。
2年連続2位入りを果たした20年と21年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年は開幕が遅れ試合数は120試合となり、21年も東京五輪による約1カ月の中断があるなど、不規則な日程。チーム事情でいえば、7回、8回の投手が時期によって変動する中で、勝ち試合の最後に“益田直也”が君臨し続けていたことは非常に大きかった。
特に9回打ち切りだった21年は、勝ち試合はもちろんのこと、同点の場面で登板し、1イニングを無失点に抑え、引き分けで終えることができたからこそ、2年連続でシーズンを2位で終えることができた。また同点の9回裏のマウンドは、ファンの多くが引き分けを計算して、抑えて当たり前という状況の中で、様々なプレッシャーを跳ね除け、きっちりと抑えてくるのはさすがだった。
ただ、昨季は益田にとって悔しい1年になった。開幕から抑えを務め、前半戦が終了した時点でリーグ2位の23セーブを挙げ、チームも首位と2.5差の4位で終え、リーグ優勝を狙える位置につけていた。
後半戦も抑えとして益田にはしっかりと勝ち試合を締めて欲しかった中で、オールスター明けの初戦となった7月29日のオリックス戦で3点リードの9回に同点3ランを浴びると、8月11日のソフトバンク戦、翌12日の日本ハム戦でいずれも失点。8月19日の楽天戦では6-5の9回、益田ではなく、ロベルト・オスナ(現ソフトバンク)が登板し試合を締め、翌20日に益田は井口資仁前監督体制後では初めて一軍登録抹消となった。9月2日に再昇格したが、本来投げるべき場所での登板はなかった。
ロッテは昨季、10月2日で公式戦の全日程が終了。20年と21年は11月まで戦っていたことを考えると、久しぶりに長いオフシーズンとなった。
「結構ゆっくり休めたので、今年は体がいい感じです。休めるということはチーム的には良くないことですが、体的には良かったと思います」。
シーズンオフは「毎年1年間戦いぬく、バテないような体づくりをするというテーマを変えずにあとは体の強さ、年々体は変わってくると思うので、自分に合った、みんなに合ったトレーニングをしてきました」と1年間戦う体づくりを行ってきた。
まもなくシーズンが開幕する。マリーンズのブルペンには、3年ぶりに復帰した澤村拓一、新外国人のルイス・ペルドモ、3年連続40登板中の小野郁、50試合登板を目指す坂本光士郎、オープン戦4試合・4イニングを投げ無失点の国吉佑樹、オープン戦でアピールを続ける若手の中森俊介、小沼健太、横山陸人など“勝利の方程式”入りが期待される投手が多い。
若手には勢いがあり、ベテランには若手にはない経験・実績がある。誰が勝ち試合の最後を任されるか不透明なところはあるが、2019年当時3年連続Bクラスに沈む中、“マリーンズで優勝したい”という思いで同年に取得した国内FA権利を行使せず残留した益田は、誰よりも優勝への想いが強く、そして優勝を決める最後のマウンドに立ちたいという想いを持っている。やはり、益田が最後を締めて歓喜の瞬間を迎えるというのが理想だ。
「もちろん、そうなれるようにオフから自主トレから頑張ってきました。そこを目指してやりたいと思います」。
大事な試合で抑え失敗などもあり厳しい声も多いが、それ以上に何度もチームに勝利をもたらしてきたのも事実。本来の調子に戻っているのであれば、マリーンズの勝ち試合の最後を締めるのは背番号“52”しかいない。
取材・文=岩下雄太
ロッテの益田直也は今季、チームの目標としてはリーグ優勝、個人としては“守護神”の返り咲きを狙う。
長年マリーンズのブルペンを支える鉄腕。昨季まで5年連続で50試合以上に登板し、プロ通算645登板、救援645登板、通算153ホールド、通算183ホールドポイントは球団歴代1位の記録を誇る。
2年連続2位入りを果たした20年と21年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で20年は開幕が遅れ試合数は120試合となり、21年も東京五輪による約1カ月の中断があるなど、不規則な日程。チーム事情でいえば、7回、8回の投手が時期によって変動する中で、勝ち試合の最後に“益田直也”が君臨し続けていたことは非常に大きかった。
特に9回打ち切りだった21年は、勝ち試合はもちろんのこと、同点の場面で登板し、1イニングを無失点に抑え、引き分けで終えることができたからこそ、2年連続でシーズンを2位で終えることができた。また同点の9回裏のマウンドは、ファンの多くが引き分けを計算して、抑えて当たり前という状況の中で、様々なプレッシャーを跳ね除け、きっちりと抑えてくるのはさすがだった。
ただ、昨季は益田にとって悔しい1年になった。開幕から抑えを務め、前半戦が終了した時点でリーグ2位の23セーブを挙げ、チームも首位と2.5差の4位で終え、リーグ優勝を狙える位置につけていた。
後半戦も抑えとして益田にはしっかりと勝ち試合を締めて欲しかった中で、オールスター明けの初戦となった7月29日のオリックス戦で3点リードの9回に同点3ランを浴びると、8月11日のソフトバンク戦、翌12日の日本ハム戦でいずれも失点。8月19日の楽天戦では6-5の9回、益田ではなく、ロベルト・オスナ(現ソフトバンク)が登板し試合を締め、翌20日に益田は井口資仁前監督体制後では初めて一軍登録抹消となった。9月2日に再昇格したが、本来投げるべき場所での登板はなかった。
ロッテは昨季、10月2日で公式戦の全日程が終了。20年と21年は11月まで戦っていたことを考えると、久しぶりに長いオフシーズンとなった。
「結構ゆっくり休めたので、今年は体がいい感じです。休めるということはチーム的には良くないことですが、体的には良かったと思います」。
シーズンオフは「毎年1年間戦いぬく、バテないような体づくりをするというテーマを変えずにあとは体の強さ、年々体は変わってくると思うので、自分に合った、みんなに合ったトレーニングをしてきました」と1年間戦う体づくりを行ってきた。
まもなくシーズンが開幕する。マリーンズのブルペンには、3年ぶりに復帰した澤村拓一、新外国人のルイス・ペルドモ、3年連続40登板中の小野郁、50試合登板を目指す坂本光士郎、オープン戦4試合・4イニングを投げ無失点の国吉佑樹、オープン戦でアピールを続ける若手の中森俊介、小沼健太、横山陸人など“勝利の方程式”入りが期待される投手が多い。
若手には勢いがあり、ベテランには若手にはない経験・実績がある。誰が勝ち試合の最後を任されるか不透明なところはあるが、2019年当時3年連続Bクラスに沈む中、“マリーンズで優勝したい”という思いで同年に取得した国内FA権利を行使せず残留した益田は、誰よりも優勝への想いが強く、そして優勝を決める最後のマウンドに立ちたいという想いを持っている。やはり、益田が最後を締めて歓喜の瞬間を迎えるというのが理想だ。
「もちろん、そうなれるようにオフから自主トレから頑張ってきました。そこを目指してやりたいと思います」。
大事な試合で抑え失敗などもあり厳しい声も多いが、それ以上に何度もチームに勝利をもたらしてきたのも事実。本来の調子に戻っているのであれば、マリーンズの勝ち試合の最後を締めるのは背番号“52”しかいない。
取材・文=岩下雄太