ニュース 2023.03.30. 08:14

【BEYOND -2023シーズン-】今シーズン注目すべき将来を担うエース候補4人

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山下舜平大、中森俊介、横川凱、小園健太 (写真左から)(C) 産経新聞社

エース候補と期待される若手投手にフォーカス!


 3月30日に開幕するプロ野球。WBCでは侍ジャパンが3大会ぶり3度目となる優勝を果たしたことで例年以上の盛り上がりが期待できるが、どの球団も望まれるのは新戦力の台頭だろう。そんなレギュラー奪取を狙う若手選手についてフォーカスしてみたいと思う。今回は入団2年目以降の投手について4人の選手をピックアップした。




■ 山下舜平大
生年月日:2002年7月16日(20歳)
身長・体重:190cm・98kg
投打:右投右打
出身地:東京都
所属チーム:オリックスバファローズ

 現在最も注目を集めている若手投手と言えるのがこの山下だ。福岡大大濠時代は甲子園出場こそなかったものの大型右腕として高い注目を集め、2020年のドラフト1位でオリックスに入団。ストレートを磨くために、あえてカーブ以外の変化球を封印していたことも話題となった。これまでの2年間は体作りもあって二軍でも目立った実績を残していないが、昨年夏場から急成長し、実現はしなかったもののクライマックスシリーズでも先発候補の1人に挙げられていた。今年はオープン戦で最初の登板となった3月4日の阪神戦でいきなり最速158キロをマーク。その後も好投を続け、4試合に登板して2勝0敗、防御率2.35、奪三振率13.50という見事な成績を残した。たくましい体格と躍動感あふれるフォームは大谷翔平(エンゼルス)を彷彿とさせるものがある。山本由伸のメジャー挑戦が既定路線だけに、チームの新たなエース候補として期待は大きい。

■ 中森俊介
生年月日:2002年5月29日(20歳)
身長・体重:182cm・90kg
投打:右投左打
出身地:兵庫県
所属チーム:千葉ロッテマリーンズ

 侍ジャパンでは投手コーチを務めた吉井理人新監督が就任したロッテ。チームの浮上には佐々木朗希に次ぐ若手投手の台頭が必要不可欠だが、期待が大きいのが高卒3年目の中森だ。明石商では入学直後から公式戦に登板し、中止となった2020年春の選抜も含めて甲子園に4度出場。2年時は春夏連続でベスト4にも進出している。当時から高校生離れした投球術は素晴らしいものがあったが、プロ入り後1年間は二軍戦にも登板せずに体作りに専念。昨年ようやくイースタン・リーグで6試合に登板し、防御率0.90と見事な成績を残した。しっかりフォーム固めに取り組んだことでストレートは明らかに力強くなった印象を受ける。オープン戦でも4試合、4回を投げて無失点と好投を見せた。チームのリリーフ陣はベテランが多いだけに、貴重な若手としてセットアッパー定着を目指したい。

■ 横川凱
生年月日:2000年8月30日(22歳)
身長・体重:190cm・98kg
投打:左投左打
出身地:滋賀県
所属チーム:読売ジャイアンツ

 昨年はチーム防御率リーグ最下位と投手陣の乱調に苦しんだ巨人。世代交代が今年の大きなテーマとなるが、そんな中で先発候補に浮上してきたのが高卒5年目の横川だ。大阪桐蔭では根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)らとともに3年時に甲子園初連覇を達成。控え投手だったものの、スケールの大きさが評価されてドラフト4位で巨人に入団。2年目には早くも一軍でプロ初先発も経験している。しかしその後は二軍でもなかなか結果を残すことができず、2度の育成落ちを経験。今年はオフに筋力強化とフォーム改良に取り組んだことが奏功してキャンプからアピールを続け、3月9日に2度目の支配下復帰を果たした。右手を大きく上げるダイナミックなフォームで、ストレートは数字以上の勢いが感じられる。右打者の内角に食い込むカットボールも威力は十分だ。オープン戦でも3試合に登板して防御率0.60という見事な成績を残しただけに、開幕から先発ローテーションの一角としてかかる期待は大きい。

■ 小園健太
生年月日:2003年4月9日(19歳)
身長・体重:185cm・90kg
投打:右投右打
出身地:大阪府
所属チーム:横浜DeNAベイスターズ

 チームの将来を担うエース候補として期待が大きいのが高卒2年目の小園だ。高校時代は3年春にエースとして選抜高校野球に出場し、初戦で県岐阜商を相手に完封勝利をマークしている。夏は和歌山大会の決勝で全国制覇を果たすこととなる智弁和歌山に敗れて甲子園春夏連続出場は逃したものの、高校ナンバーワン投手として高く評価され、2球団競合の結果、DeNAに入団することとなった。ルーキーイヤーの昨年は体力強化を重視して二軍でも3試合の登板に終わったが、シーズン後のフェニックスリーグでは好投。2年目の今年はキャンプから順調な調整を続け、3月21日の巨人とのオープン戦ではプロ入り後最長となる5回を投げて無失点とアピールした。ポテンシャルの高さを考えるとまだボールの力は物足りなさが残るものの、コントロールと投球術は高いレベルにある。現在の投手陣は大学、社会人出身の投手が多いだけに、チームの将来を考えても何とか飛躍を期待したい投手である。


文=西尾典文(にしお・のりふみ)

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