ロッテ・小島和哉(撮影=岩下雄太)

 2023年3月31日。ロッテの2023年の戦いが敵地・福岡から始まる。20年、21年と2年連続2位に入りリーグ優勝の機運が高まった中で、昨季はリーグ5位に終わり井口資仁前監督が退任し、今季から吉井理人監督のもと、「今日をチャンスに変える。」をスローガンに掲げ、1974年以来となる勝率1位でのリーグ優勝、2010年以来となる日本一を目指す。

 オフは巨人時代に通算29勝を挙げたC.C.メルセデス、昨季巨人で24本塁打を放ったグレゴリー・ポランコ、ルイス・ペルドモ、ルイス・カスティーヨと外国人選手を補強。「日本一熱いファンの前で投げられることに非常に興奮しております」、「自らの気持ちで決断したからには、千葉ロッテマリーンズさんのために腕を振る決意をしています」。チームをリーグ優勝、日本一に導くため、3年ぶりに澤村拓一が帰ってきた。

 昨季最後まで“勝利の方程式”が固定できなかった中で、澤村、ペルドモ、カスティーヨといった新戦力にかかる期待は大きい。開幕一軍を手にした高卒3年目の中森俊介も練習試合、オープン戦で結果を残し、守護神返り咲きを狙う益田直也、3年連続40登板中の小野郁、今季50登板以上を目標に掲げる左の坂本光士郎など、“勝ちパターン”で投げられる投手ばかりだ。惜しくも開幕一軍を逃した国吉佑樹、西村天裕、小沼健太、鈴木昭汰などもオープン戦で安定した投球を見せており、東條大樹、唐川侑己なども控えている。リリーフ陣の層は確実に厚くなった。

 先発陣も石川歩、二木康太が出遅れは痛いが、開幕投手の小島和哉、トミー・ジョン手術から今季は一軍本格復帰となる種市篤暉、昨季チームトップの10勝を挙げた美馬学、先発再転向の西野勇士、新外国人のメルセデス、WBC日本代表で世界一となった佐々木朗希という顔ぶれ。さらに岩下大輝、本前郁也、森遼大朗などもおり、リリーフ陣と同じように先発の駒数も揃っている。先発、リリーフに絶対的な存在はいないが、経験豊富なベテラン、中堅、若手とバランスは良い。

 一方打線は、オープン戦ではチーム打率.212は12球団中10位タイ、42得点は11位タイと貧打に喘いだ。昨季盗塁王に輝いた髙部瑛斗が3月9日に『右肩甲下筋肉離れ』と診断を受けた。オープン戦最終盤に一軍復帰し、開幕に間に合ったかと思われたが二軍スタート。打線に欠かせない存在となった髙部の出遅れは痛く、荻野貴司、中村奨吾といった中心選手が結果を残していく中で、若手の安田尚憲、山口航輝、藤原恭大の1本立ちが求められる。シーズン始まってみないとわからないとはいえ、現時点では投手陣を中心とした守り勝つ野球で勝っていくことになりそうな予感。あくまでオープン戦の成績なので、シーズン始まってから打ち勝つチームになる可能性もあり、開幕してから見守っていく必要がありそうだ。

◆ 開幕カードはソフトバンク

 開幕カードは敵地・PayPayドームでロベルト・オスナ、近藤健介など大型補強を敢行したソフトバンク。開幕投手の小島、先発が予想される種市、美馬の3投手で、優勝候補のソフトバンク打線を封じ、今季初対戦で嫌な印象を植え付けたい。

 ソフトバンクとの開幕カードを終えると、本拠地・ZOZOマリンスタジアムに戻って日本ハムとの3連戦、楽天との2連戦。今季2019年以来4年ぶりに声出し応援が解禁される。あの圧倒的な声援はマリーンズの選手たちを鼓舞するだけでなく、相手チームにプレッシャーを与えることのできる大きな武器だ。開幕3連戦に勝ち越し、弾みをつけてホームに帰ってきたい。

 戦力的に優勝が難しいという声が多い中で、それを覆すような戦いを今季こそ見せてほしい。チームとしては2025年までに常勝軍団を掲げており、その目標を達成するためには今季リーグ優勝しなければ、常勝軍団も見えてこない。そのためには将来マリーンズを支えるであろう若手選手たちが1人でも多く一軍に定着することも必要だ。チームにとっても若手選手にとっても重要な1年になる。

文=岩下雄太

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岩下雄太

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