2016年のドラ1右腕、7年目のブレイクなるか
北海道の新球場・エスコンフィールドHOKKAIDOで幕を開けた日本ハムと楽天の開幕シリーズは、楽天が2勝1敗で勝ち越し。2日に行われた第3戦では、若き2人の先発投手が躍動した。
楽天の先発はプロ7年目の藤平尚真投手(24)が務めた。
2016年のドラフト1位で横浜高から鳴り物入りで入団してきた右腕だが、過去6年では通算8勝と期待に応えることができず。昨季からは入団時の背番号「19」から「46」に変更となるなど、プロ野球人生の序盤は順風満帆とはいかなかった。
それでも、今季はしっかりとアピールして開幕3戦目のマウンドを掴むと、6回を投げて被安打4、四球は4つとかさんだが、ピンチにも動じず要所を締める投球で1失点の力投。今季初登板で白星を挙げた。
2日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した達川光男氏は、「楽天は涌井秀章投手が抜けましたが(※中日にトレード移籍)、その穴を埋めるだけの実力や運を持っている。まだ若いですが、フォークも低めに集めていて投球が本当に丁寧。楽しみな投手」と藤平の初陣を絶賛する。
さらに番組MCを務めた岩本勉氏は「テイクバックが変わって、今どきの“ショートアーム”の投げ方を採用している」と右腕の変化について言及し、「これが下半身と上半身の良い連動につながっているように見える」とコメント。
同じく番組に出演した真中満氏も「これまではチャンスをもらいながら、なかなか定着ができなかった。開幕3戦目に使ってもらっているということは、石井一久監督も期待をしているということ。このチャンスを活かしてもらいたい」と今季の飛躍に期待をしつつ、エールを送った。
初勝利ならずも「内容は上」?
一方、敗れた日本ハムの先発マウンドは金村尚真投手(22)。相手先発と同じ漢字の「ショウマ」だが、こちらは昨年のドラフト2位で富士大から加入したルーキーである。
高い制球力と試合を作る能力に定評のある右腕は、プロ初先発となったこの日もオープン戦と変わらぬ安定した投球を展開。3回二死に太田光に四球を与え、初めての走者を背負ったところで1番・辰己涼介に手痛い適時二塁打を浴びたが、6回を投げて失点はこの1点だけ。白星はならずも、上々のデビュー登板となった。
『プロ野球ニュース』解説陣もルーキーの奮投を称え、達川氏は「個人的には金村の方が内容は良かったと思う」とも。
この日の投球については「一塁側のプレートを踏んで、左打者の外/右打者の内を上手く使って投げていた」と振り返り、「プロ初登板で浅村栄斗選手のインサイドにあれだけ投げ込めるというのは度胸もかなり良い」と正確なコントロールに加えてハートの強さも強調した。
ただし、「課題としては、8人連続で抑えていたのに、9番打者に対して慎重になって四球を出してしまった」と続け、失点した3回のシーンについて言及。
「初めてのセットポジションとなったところで、クイックで投げた1球目のチェンジアップを辰己選手にとらえられた」と振り返り、もったいなかったポイントについても触れた。
収穫と反省を糧に、次回はプロ初勝利を。真中氏も「もちろん来週も投げる機会はあると思うし、必ず勝つチャンスがあると思う」とし、初戦で見せた才能の片鱗に太鼓判を押す。日本ハム先発陣の新たな柱となれるか、今後の投球に注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』