【東京六大学野球・春季リーグ戦】
● 法大 2 - 3 慶大 ○
<9日・神宮>
開幕戦で慶大に大勝した法大は先発した157キロ右腕・篠木健太郎投手(3年・木更津総合)が8回無失点8奪三振と圧巻の投球を披露。しかし2点リードの9回、2番手・吉鶴翔瑛投手(3年・木更津総合)が逆転2ランを被弾するなど3失点で逆転負け。2連勝で勝ち点獲得とはならなかった。
前日8日の開幕戦では尾﨑完太投手(4年・滋賀学園)が7回無失点と好投し、白星発進。2戦目の先発を託された篠木は「自分もチームを勝ちに導ける投球をできるように」と強い気持ちを持って、2戦目のマウンドに上がった。初回、初球に153キロ、2球目はこの日最速の155キロを計時するなど、立ち上がりからエンジン全開。3回、安打と死球で二死一・二塁とこの日初めて得点圏に走者を背負ったが、最後は橋本駿外野手(4年・巣鴨)を3球で空振り三振に打ち取り、雄叫びをあげた。
2点リードの8回は連打を許し、一死二・三塁のピンチを招いた。真価を問われる場面だったが、「練習の時に大島助監督が、勝負どころでもう一踏ん張りできる力を持っておかないと勝負できないと話されてて。そこでもう一回ギアを上げられたのが良かった」。終盤でも150キロ台をマークするなど、自慢の直球で慶大打線をねじ伏せて危機を脱した。
8回までスコアボードに「0」を並べ続けた右腕は、バットでも存在感を見せた。2回二死一塁で迎えた第1打席は右翼線へ二塁打を放つと、2、3打席目にはともに初球で犠打を決めて、得点圏に走者を進めた。
緩急を効果的に使って4回を除く毎回の8奪三振。勝敗こそつかなかったが、「ずっと試合を通して自分のストレートを投げ続けることができた。そこは去年から真っすぐ生かす組み立てを意識して冬取り組んできたので、真っすぐでよく押せていた」と振り返った。
2月下旬、法大は大学や社会人チームと試合を行う『薩摩おいどんカップ』に参加。その際、右腕は加藤重雄監督から「1段の方が合うんじゃないか」と助言を受け、今季は足を上下させる2段モーションを封印。この日は2段モーションの時より投球のテンポも上がり、セットポジションの時にはフォームに大きな変化も出ず。「ポイントを掴めば2段も1段も変わらないので、意見を生かしていきました」とうなずいた。
ただ、絶対に譲れないこだわりもある。「人と被るのが嫌いなので。ピッチャーとしても唯一無二というか、篠木といえばこれというのが何個もあった方がいい」とワインドアップ投法を貫いている。クセの出やすさなどが危惧され、以前に比べて近年では減少傾向にあるが、「自分の中でも好きというかこだわりがある。足を上げる時に(お尻の右側部分に)ワインドアップの方が力が入るので」と、この日も豪快に振りかぶり、力強い直球で攻めた。
背番号18の好投も実らず、チームは逆転負けを喫した。加藤監督は「結果的に継投を私がミスした。(篠木を)最後まで投げさせてやってもよかったんですけど、吉鶴も決して調子が悪くなかったので。迷わず9回変えたんですけど。篠木を勝たせてやりたかった」と肩を落とした。それでも篠木は「明日もしっかり自分が投げる準備をして、最後チームが勝っていればいいなと思うので、そこに貢献できるように頑張ります」と3回戦での勝ち点奪取へ向け、気持ちを切り替えていた。背番号18の頼もしさは、日に日に増している。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
● 法大 2 - 3 慶大 ○
<9日・神宮>
開幕戦で慶大に大勝した法大は先発した157キロ右腕・篠木健太郎投手(3年・木更津総合)が8回無失点8奪三振と圧巻の投球を披露。しかし2点リードの9回、2番手・吉鶴翔瑛投手(3年・木更津総合)が逆転2ランを被弾するなど3失点で逆転負け。2連勝で勝ち点獲得とはならなかった。
前日8日の開幕戦では尾﨑完太投手(4年・滋賀学園)が7回無失点と好投し、白星発進。2戦目の先発を託された篠木は「自分もチームを勝ちに導ける投球をできるように」と強い気持ちを持って、2戦目のマウンドに上がった。初回、初球に153キロ、2球目はこの日最速の155キロを計時するなど、立ち上がりからエンジン全開。3回、安打と死球で二死一・二塁とこの日初めて得点圏に走者を背負ったが、最後は橋本駿外野手(4年・巣鴨)を3球で空振り三振に打ち取り、雄叫びをあげた。
2点リードの8回は連打を許し、一死二・三塁のピンチを招いた。真価を問われる場面だったが、「練習の時に大島助監督が、勝負どころでもう一踏ん張りできる力を持っておかないと勝負できないと話されてて。そこでもう一回ギアを上げられたのが良かった」。終盤でも150キロ台をマークするなど、自慢の直球で慶大打線をねじ伏せて危機を脱した。
8回までスコアボードに「0」を並べ続けた右腕は、バットでも存在感を見せた。2回二死一塁で迎えた第1打席は右翼線へ二塁打を放つと、2、3打席目にはともに初球で犠打を決めて、得点圏に走者を進めた。
緩急を効果的に使って4回を除く毎回の8奪三振。勝敗こそつかなかったが、「ずっと試合を通して自分のストレートを投げ続けることができた。そこは去年から真っすぐ生かす組み立てを意識して冬取り組んできたので、真っすぐでよく押せていた」と振り返った。
2月下旬、法大は大学や社会人チームと試合を行う『薩摩おいどんカップ』に参加。その際、右腕は加藤重雄監督から「1段の方が合うんじゃないか」と助言を受け、今季は足を上下させる2段モーションを封印。この日は2段モーションの時より投球のテンポも上がり、セットポジションの時にはフォームに大きな変化も出ず。「ポイントを掴めば2段も1段も変わらないので、意見を生かしていきました」とうなずいた。
ただ、絶対に譲れないこだわりもある。「人と被るのが嫌いなので。ピッチャーとしても唯一無二というか、篠木といえばこれというのが何個もあった方がいい」とワインドアップ投法を貫いている。クセの出やすさなどが危惧され、以前に比べて近年では減少傾向にあるが、「自分の中でも好きというかこだわりがある。足を上げる時に(お尻の右側部分に)ワインドアップの方が力が入るので」と、この日も豪快に振りかぶり、力強い直球で攻めた。
背番号18の好投も実らず、チームは逆転負けを喫した。加藤監督は「結果的に継投を私がミスした。(篠木を)最後まで投げさせてやってもよかったんですけど、吉鶴も決して調子が悪くなかったので。迷わず9回変えたんですけど。篠木を勝たせてやりたかった」と肩を落とした。それでも篠木は「明日もしっかり自分が投げる準備をして、最後チームが勝っていればいいなと思うので、そこに貢献できるように頑張ります」と3回戦での勝ち点奪取へ向け、気持ちを切り替えていた。背番号18の頼もしさは、日に日に増している。
取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)