【東京六大学野球・春季リーグ戦】
○ 明大　6 － 3　東大 ●
＜9日・神宮＞

　昨秋の明治神宮大会を制し、リーグ3連覇を狙う明大は東大に2連勝し、勝ち点1を挙げた。

　初回一死二塁から宗山塁内野手（3年・広陵）の右前適時打で先取点を奪うと、なおも一死二塁から4番・上田希由翔主将（4年・愛産大三河）の2ランが飛び出し、この回3点を先取した。

　しかし2回、二死満塁のピンチで1番・酒井捷外野手（2年・仙台二）に2点タイムリーを許すと、6回には和田泰晟捕手（4年・海城）に同点打を浴びて、試合を振り出しに戻された。

　7、8回は無得点に終わり、3－3の同点で迎えた最終回。先頭の上田が死球で出塁すると、相手の暴投の間に一気に三塁へ。その後二死二・三塁となり、途中出場した菅原謙伸捕手（4年・花咲徳栄）が右中間へ勝ち越しの2点タイムリー二塁打、続く水谷公省外野手（3年・花巻東）にも適時二塁打が飛び出して、勝ち点を掴み取った。

　試合を決める一打を放った菅原は「自分が決めるというよりかは、できるだけ後ろに繋げるという意識で（打席に）行った。スタンドを見た時に応援団の人たち、ファンの人や部員の姿が見えて、絶対に自分でアウトになってはいけないなという気持ちで打席に立ちました」。応援団の友人に「困ったらスタンドを見てね」と言われていたといい、「困ったのでスタンドをとりあえず見て、そしたらいい景色が見れました」と声援を力に変えて、チームに勝ち点をもたらした。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）