ニュース 2023.04.16. 17:08

法大の151キロ左腕・吉鶴翔瑛が3回0封「取り返そうと思って」試合は立大に引き分け

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法大・吉鶴翔瑛投手[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・春季リーグ戦】
 法大 1 - 1 立大
<16日・神宮>

 開幕節で勝ち点1を挙げた法大は立大と対戦。1-1で9回を終えて試合は延長に突入すると、ソフトバンク・吉鶴憲治3軍バッテリーコーチを父に持つ吉鶴翔瑛投手(3年・木更津総合)が10回からマウンドへ上がり、3回を投げて2安打無失点、毎回の4奪三振と好リリーフ。試合は延長12回の末、引き分けとなった。

 悔しさをバネに、吉鶴はその左腕を振った。今季初登板となった9日の慶大戦、9回に逆転弾を浴びるなど、2点のリードを守り切れず。この日先発した木更津総合高時代からチームメートの篠木健太郎投手(3年・木更津総合)の白星を消してしまい、敗戦投手となった。「自分が健太郎の勝ちを消してしまった」と悔やんでも悔やみきれなかったが、篠木からは「明日もあるし、勝ち点取られたわけじゃない。また明日頑張ろう」と背中を押された。

 逆転本塁打を浴びたのは人生初。それでも「短期間の2ヶ月しかないリーグ戦の中で引きずっていたら、ずるずる行って結果も出ないと思う。そこは結果を出すという強い気持ちを持っていきました」とリベンジに燃えていた。10回一死から齋藤大に右翼線へ二塁打を浴びたが、後続を封じて無失点。11回は4番・戸丸、続く安藤を二者連続三振に仕留めるなど、三者凡退で相手打線を寄せ付けなかった。12回は1死後、雷雨とひょうによる悪天候のため試合は29分間中断したが、再開後も集中力を切らすことなく目の前の打者を打ち取り、引き分けで試合終了。苦い記憶を振り払った左腕は「逆転されたというのが自分の中では一番悔しくて、それを取り返そうと思ってこの1週間やってきて、その結果が出た」と力強くうなずいた。

 昨秋は先発登板もあったが、今季は中継ぎ、抑えとして、さらなる飛躍が期待されている。「連投も考えて1試合1試合をゼロで抑えるという意識でやっています」と背番号21。次の出番でも、吉鶴は必ずやってくれるはずだ。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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