右肩の状態は「全く問題ない」
現役サイ・ヤング賞右腕の超大物助っ人、DeNAのトレバー・バウアーが西武との二軍戦(横須賀)で公式戦デビューを果たし、4回無失点と好投した。
初回から3イニング連続で走者を背負い、3回は得点圏にも進まれたが、2番・蛭間拓哉を155キロのストレートで空振り三振に仕留めるなど要所を締める好投。打者15人に53球を投げ、無四球4安打6三振の内容だった。
バウアーは「すごく良かったと思います」と第一声。「身体もいい状態でしたし、コントロールも良かった」と充実の来日初登板を振り返った。
3月23日の来日後、肩の違和感で実戦登板が遅れたものの、「肩の張りもありませんでしたし、球速も156キロ出ていたので全く問題ない」と自身の投球内容に納得。「カーブは安定感がなかったですけど、全体的にいいボールが行っていた」と自己分析した。
この日は4シーム(ストレート)、2シーム、カットボール、スライダー、チェンジアップ、カーブの全球種を投げたといい、3回一死二・三塁の場面ではギアを上げ、150キロ超のストレート連発で2者連続三振。要所で感触が「一番良かった」というストレートを投げ込み、格の違いを見せつけた。
メジャーで出場停止処分を受けていたことから、21年6月以来の実戦登板だったものの、「特に違和感はなく、今日もしっかり準備できた上で試合に臨めていた」と調整面では大きな問題なし。
今後に関しては「球数、イニングを増やしていくという作業を続けていく必要がある」と話し、一軍合流時期は「チームと相談してスケジュールしていく」と明言を避けた。
女房役を務めた高卒5年目の益子京右は、「バウアー以上に緊張していた。後ろには逸しちゃいけないなと思いました」と懸命にボールを受けた。「ピンチの場面でギアを上げたときの真っ直ぐは、他のピッチャーとは違いますし、変化球もいい。個人的にはスライダーがすごい」と舌を巻いていた。
日本に舞い降りた本物のメジャーリーガー。驚愕のピッチングを一軍で披露する日は、もうすぐやって来そうだ。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)