プロ初登板初勝利以来、1年ぶりの白星を掴む
西武は19日、本拠地でソフトバンクに3-2で勝利。これで連勝を4に伸ばし、12球団一番乗りで10勝目を挙げた。
この試合では2年目左腕の隅田知一郎が6回1失点の好投。5安打・3四球と走者を背負いながらも本塁は踏ませぬ粘りの投球を見せ、昨年3月26日のプロ初登板・初勝利以来となる通算2勝目をゲット。長らく続いた連敗を「12」で止めた。
これには19日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した平松政次氏も「1年も勝てないと、投手は“もう今後勝てないんじゃないか……”と悩むもの。本人にとっても希望が見えてきたと思います」と祝福。また、期待して起用し続けてきた首脳陣についても、「これだけ投げているということは信頼があったということです。いつか勝てるだろう、良いことがあるだろうと首脳陣も見ていたわけですから、ホッとしたでしょうね」と言及した。
ヒーローインタビューではこみ上げてくる涙をグッと堪えるシーンもあったが、23歳の左腕にとってはここからが再スタート。2021年のドラフト会議で4球団が競合したその真価を証明していく日々がここから始まる。
平松氏は隅田の課題について「打者が打てそうな高さにボールが集まるシーンが多く、打者が怖がらずにタイミングも取りやすいところがある」と具体的なポイントを挙げ、「ボールをもっと低く投げるか、または思い切って高めに投げ込むとか。少し荒れた方が良いかもしれません」とコメント。
続けて、「もう一つは右打者にはカットボール、左打者にはツーシーム系のボールを相手の身体の近くに投げていくこと。これだけキレイなフォームをしていますから、そういった工夫がないとプロの打者は打ってくる」とし、相手打者にプレッシャーをかけるボールや組み立ての重要性を説いた。
これには現役時代に通算2062安打を放った名左打者の谷沢健一氏も、「たしかにフォームがキレイな分、左打者も向かって行けますよね。踏み込んで打ちに行くことができるので、そういったところで変化球を狙われたり、高めに浮いたボールは弾き返されたりということがある」と分析。
同じように“インサイドに食い込んでくるボール”の怖さを語りつつ、「ただ、ヤクルトの石川雅規投手も、左打者のインサイドにシュート系のボールはなかなか投げにくいと言っていましたよ」とも。待望の2勝目を飛躍につなげるために、ステップアップした姿を見せることができるか。今後の投球にも注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』