ニュース 2023.05.02. 20:23

国学院大の今秋ドラフト候補左腕・武内夏暉「納得のいくピッチングでした」脱力投法で5安打11K完封

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国学院大・武内夏暉投手[写真=灰原万由]
【東都大学野球・春季リーグ戦】
○ 国学院大 5 - 0 駒大 ●
<2日・ZOZOマリン>

 国学院大の今秋ドラフト候補左腕・武内夏暉投手(4年・八幡南)が5安打完封で今季2勝目をマーク。1勝1敗とし、勝ち点獲得へ望みをつなげた。

 背番号16がZOZOマリンを完全に支配した。キレのある直球と、スライダーやカーブなど多彩な変化球のコンビネーションを駆使して駒大打線に的を絞らせず。試合時間わずか2時間7分。テンポよく144球を投げ込み、緻密な投球術で11Kと三振の山を築いた。最終回は3番・角田に左前安打を浴び、この日初めて先頭打者の出塁を許したが、一死二塁から2者連続三振に打ち取り、5安打完封。最後まで守ったマウンドの上で、武内は笑顔で左拳を握った。

 “脱力投法”が生きた。この日の試合前まで4試合に先発して1勝2敗。「自分としても納得のいった内容ではなくて、力みすぎというのもあった」と開幕戦でリーグ通算8勝目を挙げて以降は、白星から遠ざかっていた。前回登板した亜大戦の後は「脱力を意識して調整してきた」と効率よく力むことなくボールに力を伝えるために、上半身と下半身の連動性を見直し。「力を入れなくても勝手にボールが行くような、体の連動の中でボールが行くように」と下半身から上半身の指先までスムーズに力を伝えることを意識することで脱力感を体得した。すると指のかかりも良くなり、この日は制球も安定。苦い経験を良薬に変え、チームの勝利に大きく貢献した。

 5回まで打線は無安打と、援護がなかった中でも気持ちを切らすことなく腕を振り続けた。鳥山泰孝監督は「ロースコアのゲームになるとは思っていた。その中で本当に武内がよく投げてくれました」とエースの力投に目を細めた。三塁を踏ませない完璧な投球で通算3度目のシャットアウトに「変化球のコントロールも良く、いい結果に表れた。納得のいくピッチングでした」と充実感を漂わせた背番号16。その眼差しからは、頼もしさが感じられた。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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